『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「猫町倶楽部」の読書会で出た質問を元に、加筆・修正しています。猫町倶楽部はこちら

独学を「続けられる人」と「あきらめてしまう人」の決定的な差Photo: Adobe Stock

[質問]
 読書猿さんがこれまでの独学で手応えのあった分野、あきらめた分野はありますか。

挫折して、あきらめてばかりです。

[読書猿の回答]
 ほとんどの分野について、手を出した初回は特に、必ずといっていいほど挫折して、あきらめてます。

 たとえば語学はほんと苦手で、今までドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、アラビア語、中国語、ラテン語、古代ギリシア語、エスペラントに手を出して、スペイン語とタイ語に至っては本を買っただけで、そのすべてに挫折しました。

 一番マシだったのはエスペラントですが、トルストイが初めて2時間で読めるようになったというので試してみたら、ほんとにできた。『独学大全』の対話の中で出てくる「オレ天才じゃね?」はこの時の経験です。調子に乗って、多分日本で手に入るエスペラントの語学書は全部手に入れた気がします。当時はまだインターネット以前で、パソコン通信の時代ですが、エスペラントのメーリングリストに入って「エスペラントで百科事典をつくろう」と呼びかけて「お若いの、無茶はよしなさい」と諭されたりしてましたが、もうずっとやってないので、清々しいほど残ってないですね。

 えーと、手応えがあったものがないとまずいですね(笑)。アイデアの発想法や創造性開発、問題解決などについては誰に習ったわけでもなくて完全に独学です。これまで3冊本を書きましたが、自負としては、各分野で一番よい本を書けたと思っています。

「一度始めたら必ず最後までやり遂げなくちゃならない」と完璧主義で挑むよりも、「何度も挫折するだろうけれど、ほとぼりが冷めた頃にまた性懲りもなく挑めばいいや」みたいな心持ちで今は学んでいます。案外、これくらい方が長続きしたりするものです。