われわれは「顧客管理」という言葉を使うことが多い。顧客の購買情報はPOSを利用して分析することができる。

 一般に「顧客分析」といわれるのは、多くの場合「買っていただいた」顧客の分析であり、これは、購入商品と顧客属性のクロス分析で品揃え等のMD戦略や出店戦略等に生かされているのは事実である。

 ただし、これらの顧客はどちらかというと「目的買い」を行うケースが多いと思われる。もちろん、店内で「楽しい」ショッピングの演出ができていれば「衝動買い」も起こってくる。

 重要なのは、来店しても「買っていただけなかった」顧客である。つまり、コンバージンレートが悪い店舗はこの「買っていただけなかった」顧客が多いということになる。そもそも「目的買い」が主たる来店理由であった顧客が購買に至らないのは、多くの課題があると考えるべきだ。

 来店すらしてもらえなかった顧客はもちろんのこと、一度来店しながら、その後休眠してしまった顧客をいかに再来店させるか。単にチラシを撒いたり、ポイント還元するだけでは、来店してもらえない。

オムニチャネル・
リテイリング成功の鍵

 これまで述べてきたように、オムニチャネル戦略とは、単に「ネットとリアルの融合」を言うのではなく、スマートフォンを使用してO2Oを行う戦術だけを言うのでもない。むしろ、「目的買い」だけでなく「衝動買い」をいかに誘発するかが、一つの大きな成功の鍵ではないかと考える。

 オムニチャネル・リテイリング成功の鍵は、おおむね次の三つといえるだろう。

1 来店促進の仕組み→「リアルからネットへ」「休眠顧客、新規顧客の開拓」

2 コンバージョンレート向上の仕組みと「楽しく、思わず買ってしまう」仕掛け→来店客を購入者(Shopper)へ

3 購入者からAdvocator(支持者)へ