複数の関係者によれば、前原大臣が日銀会合に出席するのは「竹中元大臣のアドバイスを受けてのこと」なのだという
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 日本銀行が10月30日に開く金融政策決定会合において、一段の追加緩和を実施するのが“既定路線”となりつつある。デフレ脱却に向けた政府からの緩和圧力が高まっているからだ。

 10月23日、前原誠司経済財政担当相は前回に続き30日の日銀会合にも出席し、強力な追加緩和を求める意向を示した。閣僚の日銀会合出席は異例で、前回の出席は2003年の竹中平蔵経財相以来、実に9年ぶりのことだった。

 さらには城島光力財務相も23日、「果断な金融緩和を推進することを期待する」と改めて言明した。

 ここにきて政府が日銀に緩和を迫る言動が相次いでいる背景には、中国経済の失速やエコカー減税の終了などによる、景気下振れへの焦りがある。しかも9月以降、自らの外交失策で“尖閣不況”と呼ぶべき事態を引き起こす始末だ。

 だが、14年4月には最初の消費税率引き上げ(5%→8%)が控えている。その最終判断はだいたい1年前の13年4~6月の景気指標を考慮して行うことになっており、何としても消費増税を実現すべく「この時期の景気だけは上向かせたい」(政府関係者)のだ。

 ところが政府自身がなすべき景気刺激策はといえば、臨時国会すら開催できず補正予算も組めない有り様。そこで最終手段として17日、予備費9100億円を使った経済対策をあわてて取りまとめるよう指示したが、これだけでは心許ないだけに、日銀にも緩和を迫っているわけだ。

 これに対し日銀は、既に9月の会合で「踏み込んだ緩和」(日銀関係者)を実施済み。日銀が掲げるインフレ目標1%の達成時期は、世界経済の鈍化で「半年ほど後ずれしている」(日銀関係者)状況で、資産買い入れ基金を10兆円も増額した。もっとも現在も経済情勢は改善しておらず、日銀にもある程度の追加緩和はやむを得ないという認識はある。