タワマン 全内幕#13Photo:PIXTA

タワマンの豪華な共用施設を有効活用する新サービスが、湾岸タワマンに広がりつつある。高収入、高学歴で消費者属性としても優れているタワマン住民にアクセスできる機会でもあり、企業からの注目度も高い。特集『タワマン 全内幕』(全14回)の#13では、タワマンを舞台にした未来ビジネスを取り上げる。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

タワマンの共用施設が大変身!
湾岸で注目される新サービスとは?

 今日も集会場でフレンチの有名シェフによる住民だけの特別な料理教室が開かれている。湾岸の風景を一望できる屋上テラスでは、人気ピラティスインストラクターによる青空教室が開催中だ。マンション前の広場では、新車の試乗会が行われている――。タワーマンションに暮らすと、近い将来こんな生活が可能になるかもしれない。

 今、東京湾岸や神奈川・武蔵小杉のタワマン住民に急速に広がっている、あるサービスがある。4月に事業を開始したベンチャー、新都市生活研究所が提供する、タワマンの「共用施設活用サービス」だ。

 展望ラウンジやバー、キッチン付きのパーティースペース、住民専用のスポーツジムなど、タワマンの代名詞ともいえる豪華な共用施設。だが、入居した直後こそ住民は喜んで使っていたものの、住んで数年、10年と年月がたつにつれ、だんだんみんな飽きてきて使わなくなり、気が付けば住民は帰宅するとすぐに自分の部屋に帰るだけの生活になりがち。共用施設も稼働率が落ちてくる――。こんなケースに悩むタワマンは、実は多いという。

 タワマンの管理組合にとって、共用施設の稼働率が落ちることはやっかいな問題だ。特にゲストルームやジム、プールなど、利用料を徴収するタイプの施設は、その収入が施設の維持管理費用に充てられていることも多いからだ。もちろん、住民側にとってもせっかくの施設が遊休化してしまっているのでは、なんのために高い管理費を支払っているのか分からなくなってしまう。

 実は、これまで共用施設活用の活性化策は、もっぱらタワマンの管理組合に委ねられていることがほとんどだった。中には毎週のようになんらかのイベントを企画し開催する熱意のある組合もあるとはいえ、組合理事のやる気と時間と体力の有無で活性化できるかどうかは左右される。しかし、組合理事がボランティアで共用施設を使ったイベント運営を行い続けるのは難しい。

 新都市生活研究所が提供するのは、このようなタワマン管理組合の悩みを解決するサービスである。しかも管理費の出費なしにマンション生活の満足度が上がるばかりか、管理組合にとって収入源が得られるケースすらあるという。