タワマン 全内幕#5

タワマンの建設とともに街も発展する。では、その中で最も発展したのはどこ?特集『タワマン 全内幕』(全14回)の#5では、不動産マーケティングプラットフォーム企業のマーキュリーとダイヤモンド・アナリティクスチームにより、タワマンが5棟以上立つ「タワマン駅」、東西42駅をピックアップし、六つの指標でランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子、ダイヤモンド・アナリティクスチーム)

主要タワマン駅を地価・人流など6項目で比較
10年で最も発展した駅はどこか

 タワーマンションとは“富の象徴”であり、限られた一部の人しか住めないもの――。こんな印象を持つ人も多いかもしれない。だが、統計上ではタワマンはすでに日本の住まいの主役の一つになりつつある。長谷工総合研究所の調査によると、2016年以降の新築マンションの供給においてタワマンが占める割合はなんと首都圏で40%を上回り、近畿圏では17年以降45%を上回るという。いま新築マンションを買おうと思ったら、好むと好まざるとにかかわらずタワマンを検討対象に入れざるを得ない。それだけ、市民権を得た存在となっているのだ。

 タワマンが建つこととその街の発展にはどのような関連があるのだろうか。今回ダイヤモンド編集部では、不動産マーケティングプラットフォーム企業であるマーキュリーの協力で、駅前に20階以上のタワマンが5棟以上立っている駅を関東・関西で合計42「タワマン駅」としてピックアップ。この42駅を対象として11年から21年の間に各駅がどのように発展してきたかを、地価やマーキュリー提供の中古マンション平均流通価格、駅乗降客数の変化など人流の活性化度等のオープンデータと組み合わせて案分にて得点化、ランキングを作成した。ランキング作成は統計専門会社おたにの協力の下、ダイヤモンド・アナリティクスチームが行った(詳細な算出方法は記事末尾に掲載)

 ランキングは、駅ごとのタワマンの総戸数や平均築年数も得点として加算されるように設計した。総戸数を入れることでタワマン駅としての規模感が反映され、築年数を入れることで、将来的な長期修繕の可否が地域に負担となるリスクも加味できるような設計となっている。

 その結果は以下の通りである。隣接する街でも全く異なる得点となるなど、既にタワマンに入居している人にもこれから購入を検討している人にも興味深い結果となった。