本音でフォロワーとつながれるのがツイッター

 ツイッターをはじめ、企業が運営するSNSの本来の目的は、その企業のファンを増やすことにあります。繰り返しますが、特にツイッターはファンとのコミュニケーションに有効なツールです。

 ファンに満足してもらう手段として、プレゼントキャンペーンを活用すること自体は否定しません。実際、ファンを増やすことができる企画のひとつだとも思います。しかし、キャンペーンだけでファンを増やすことはできないと心得るべきです。本音の部分でフォロワーとつながり、共感できる場をつくる。それが「共感のメディア」であるツイッターの最大の魅力です。

 自分たちがどうしてツイッターを始めたのか。どんな人たちにフォローしてほしいのか。フォロワー数を増やしたいがためだけにキャンペーンを打つ前に、それをよく考えたほうがいい、と私は思います。

 フォロワー数が100人のときと1万人のときでは、影響力は単純に考えて100倍の差があるといえます。情報到達度という点では、数を増やすのも間違いではないのかもしれません。

 ただ、ひと口にフォロワーといっても濃淡があり、いつも反応をしてくれる人、ただ見ているだけの人、なんとなくフォローしただけでツイートはスルーしている人など、さまざまです。

 では、企業の公式アカウントとして、どんなフォロワーとつながりたいでしょうか。

 それはやはり、自社のファンとして共感してくれるフォロワーではないでしょうか。濃淡があるのは仕方がないとしても、できれば「濃い」フォロワーを増やしたいですよね。

 であれば、数だけを追いかけることにはあまり意味がないと思うのです。

 フォロワー数が少なくて、投稿に寄せられる「いいね」の数が5とか10でもいいじゃないですか。企業の公式アカウントに興味を持ち、共感して「いいね」をしてフォロワーになってくれたら、それは「濃い」コミュニケーションの始まりです。

 フォロワーを増やすというのは、すなわち、友達を増やすこと。友達がお客さまになってくれたらうれしいけれど、それは第一の目的ではありません。順番が違います。

 フォロワー数が多くても、つながりが薄く関係性が浅ければ、影響力があるように見えて実態はそうでもないということだってあります。企業の公式アカウントは本当の「濃い」ファンを増やすべきだと思います。