多くの女性は、結婚相手に自分より所得や社会的な地位が高い男性を求める傾向があるため、探しているうちに婚期を逃してしまう。一方で、農村部の男性は、結婚の際に相手の女性から法外な結納を要求され、一家が借金までして応じなければならない状況になることもあり、これは社会問題となっている。地域によっては地元政府が結納の金額を制限することがあるくらいだ。

 社会の発展と成熟により生き方が多様化したことで、「結婚が幸せのステータス」とは思わなくなった若者が非常に増えている。

 特に、「80后、90后」と呼ばれる1980〜90年代に生まれた世代は、一人っ子がほとんどであるため、ずっと親の愛情を独り占めしてきた。豊かな生活と自由を享受し、居心地の良い環境から離れたがらず、煩わしい結婚や子育てを敬遠する人が多い。ゆえに、近年、都会の若い女性を中心にペットを飼うブームが起こっていて、ペットショップが急増している。

 人口問題は、中国政府にとって最も重要である。人口があるからこそ、労働力の確保ができ、消費力が維持され、持続可能な経済発展につながるのだ。

「三人っ子政策」発表も
国内の反応は冷ややか

 今回、政府が発表した「三人っ子政策」では、単に「産んでもらう」だけではなく、一連の優遇政策も実施するという。「結婚、出産、教育を一体化し、若者の結婚観、家庭観の教育指導を強化」、そして「税収や住まいの支援策」「教育資源の公平化や家庭教育費の軽減」などを行うとしている。

 しかし、これに対して、国民の反応は冷ややかだ。ある人口研究の専門家はSNS上で、「もう手遅れだ、効果がない」と見解を述べた。

 このニュースは中国国内で非常に注目度が高く、報じられた直後、SNSにはおびただしいコメントが寄せられた。そのほとんどが批判的で、自虐と皮肉たっぷりの書き込みである。

「1人でも無理なのに、3人も?想像するだけぞっとする……」
「上に4人の親、下に3人の子ども、誰が養うというの?」
「産みたいが、家は?教育費は?国が子ども1人につき家を1軒くれたら、考えるわ」
「国が当時一人っ子政策で妊娠した女性を強制的に中絶させていなければ、今ごろ人口のことで苦労していないのになー」
「お金がある人はどんどん産んでください、われわれ庶民とは無関係だ」

 などなど。

 どうやら、将来子どもを持つことはお金持ちの特権となりそうで、子どもの数でその人の経済力をはかられてしまいそうだ。