看護師を目指す方に伝えたい、
向き不向きより大事なこと

かげ:自分はそもそも看護師になりたくてなったわけではなく、たまたま受けて受かったのが看護の学校で、看護師になりました。看護師になりたい人は、自分や家族が病気を経験した時に関わったから、家族が看護師だから、といった理由を持つ人が多く、自分が学校に入ったときもそうでした。そんな中で、自分にはそういう理由もないし、何となくだから、それゆえ他の人と差がある、向いていない、というところからのスタートでした。勉強も自分はどうせ向いてないというのが根底にあったし、実習もつらかった。

どう働いてもつらくなる時はあって。自分がなりたいと思ってなったわけではないから、やっぱりつらいんだな……と思っていた時に、つらい、向いてないという思いを変えることはなかなか難しいけれど、向いてない・向いているではなく、自分が関わった患者さんが治ることで、看護っていいな、と思うことに目を向けられるようになれたらいいなと思うようになりました。

患者さんとのコミュニケーションのスキルとか、仕事の効率をよくするのは難しいことだけれど、勉強はとりあえず知識を入れればわかるので一番伸び代があります。だから勉強しておくといいよ、って伝えたいですね。

できたと自覚しやすい簡単なところでいいし、苦手だと思いながらでもいいから、勉強しておくといい。それを伝えたくて、自分はゆるい絵を描いています。ゆるい絵なら、簡単そうに見えるかなって。自分の本のタイトルには「苦手だった」と書いてありますけど、実は今も苦手です。なかなか得意にはならないけれど、やっぱり看護はいいなと思っているところです。