遺言書写真はイメージです Photo:PIXTA

相続が「争族」になるのは、金持ちとは限らない。庶民も相続について学び、遺言をしっかり残すことが重要である。(経済評論家 塚崎公義)

数百万円の遺産でも「争続」は起きる

「相続争い」というと、何億円もの遺産を巡って血で血を洗うような争いが家族や親族間で繰り広げられる、といったドラマチックなことを想像する人が多いようだが、実は庶民の間でも相続争いが泥沼化することが多いようだ。

 弟は大学を出してもらったのに兄は高卒だから兄が多く相続すべきだとか、兄嫁が親の介護をしたのだから兄が多く相続すべきだとか、数百万円の争いでも泥沼化する例が多いようである。

 したがって、読者が富裕層ではないとしても、自分の遺産が争族の種にならないように、しっかり遺言をしておくことが重要だ。遺言があれば、さすがに遺族も故人の意思は尊重するだろうから。