仮想通貨を巡る税金ルール

 税制について無関心であることの怖さを知ったところで、仮想通貨の取引にまつわる規制や税制上のルールについて解説していきたい。国税庁が2019年12月に発表した「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」や20年5月に改正・施行された資金決済法および金融商品取引法などを基にお伝えする。

仮想通貨は
「雑所得」扱いで総合課税

 仮想通貨の取引に消費税はかからない。かかるのは所得税で、「仮想通貨の売却」「仮想通貨の交換」「仮想通貨による商品の購入」が課税対象となる。仮想通貨取引などで得た雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要だ。

 ただし、20万円以下でも住民税については申告が必要なため注意したい。仮想通貨の取引によって得た収入は雑所得に分類され、1年間に得た給与所得などの各所得を合算して課税対象とする「総合課税方式」が採られている。総収入から必要経費を控除した所得額に応じて、5~45%の税率で所得税が課せられるのだ。

 所得額が多いほど税率が上がるため、他所得と合計せずに所定の税率をかけて税額を算出する「分離課税方式」よりも税率が高くなりやすい。所得が4000万円以上の場合、所得税45%と住民税10%で税率は55%にもなってしまうのだ。