「紙」から「デジタル」への変革
ICT教育では、先生がゴールを提示し、子どもたちは自分たちで主体的に歩き始めなければなりません。
つまり、地図やコンパスのような「アナログ道具」から、パソコン端末という「デジタル道具」に置き換わっていくのです。
そのためには、「パソコン端末」を入口に、デジタル情報の波をかいくぐるセンスとスキルが必要になります。
ただ、現場となる教室では、「デジタル道具」の扱いに慣れていません。
お役所も、企業も「脱印鑑」を掲げて「紙からデジタル」へ変革を急いでいますが、なかなか実現できていないのが現状です。
教育現場もご多分に漏れず、「テスト」「宿題プリント(補助教材)」「連絡網」がいまだに「紙」ベース。デジタル化が遅れているのです。
どうすれば、教育現場で「紙からデジタル」が実現されるのでしょうか?
もっと具体的に言えば、「テスト配布→テスト→テスト採点→成績通知」まで一切紙を使わず、パソコン端末で完結するにはどうすればいいでしょうか?
ここでヒントになるのが、ヨーロッパを中心としたICT先進国の事例です。
世界がコロナ禍に見舞われる直前の2020年1月、私は Google for Education主催の欧州教育視察ツアーに参加しました。
その中で、フィンランド、オランダ、イギリスと合わせて3ヵ国の教育現場をこの目で視察してきました。
そこで見たものは、まさに「生きた教訓」。
教育のデジタル化で苦労していたのは、日本だけではありませんでした。
私たちより先に、世界中の教師たちが試行錯誤を繰り返し、そして乗り越えていました。
この急激な変革を乗り越えるためのヒントを、オランダの事例からお届けしましょう。