2種類あるミスマッチ
「こだわり過ぎ」はNG
インターンシップは、早く企業と接点を持つことで、内定の可能性を高められるチャンスでもありますが、仕事内容のミスマッチを防ぎ、本当に自分に合った企業に就職するための情報を得る場でもあります。
その際、ミスマッチには2種類あることを知っておいたほうがいいでしょう。
1つは、本当に仕事の内容そのものや、企業文化などが合わないという意味でのミスマッチです。これは、インターンシップでもある程度見極められます。しかしミスマッチにはもう1つあり、それは絶対に避けられない人的ミスマッチです。学生はこの2つを混同して考えている可能性があります。
インターンシップに参加し、何人もの先輩に会ったとしても、実際に入社すれば、必ず嫌いな人、嫌な先輩、鬱陶しい上司はいます。社会人経験がなくても、学生の皆さんがこれまでの人生で、好きで選んだ学部、部活、サークル、バイト先にだって、嫌いな人、合わない人は必ずいたはずです。しかし、そういう人がいたからといって、皆さんは部活・サークルの活動内容や、学部の専攻科目や、バイトの仕事そのものが自分と合わないとは、そもそも思わなかったでしょう。これから就職する企業も何らその状況と変わりないのですが、なぜか自分が100%居心地のいい企業、合わない人が1人もいない職場が自分に合う企業だと思い込んでいる学生は、多いものです。
もちろん、どの採用担当者も「うちは皆、仲がいいよ」というに決まっています。また、「この人と一緒に働きたいと思った企業があなたに向いている企業ですよ」などと言われることも多いでしょう。しかし、業種や職種、仕事の内容、企業文化が自分に合っているかどうかと、その職場や自分の配属されたチームにたまたま合わない人がいるということは、まったく次元の違う話です。
後者の人的ミスマッチをなくす方法まではなく、もしそこにこだわってしまうと、せっかく自分に向いている優良企業を逃してしまうことになりかねないということを、覚えておいてください。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)