相続トラブルにはすごく効きます!

 夫婦間の贈与であっても、それは特別受益に該当するので、妻と子どもの仲が悪いようなケースにおいては、「母さんが生前中に贈与された自宅は、特別受益として持ち戻すべきだ」と子どもから言われれば、それは持ち戻しの対象とされてしまいます。

 そもそも夫婦間の自宅贈与を検討される方の動機は、「自分が死んでしまった後、残された配偶者が安心して暮らしていけるようにするため」という方がほとんどです。

 そういった贈与であっても、特別受益の持ち戻しの対象とされてしまうと、安心して贈与できません。そこで、2019年7月より、婚姻20年以上の夫婦で自宅の権利を贈与した場合には、それは特別受益の持ち戻しの対象から除外するという改正が行われました。

 これにより、配偶者の権利が手厚く守られることになったのです。「配偶者の将来の安心」を重視するなら、非常に良い特例と言えます。

※記事初出時より、以下の部分を修正しました。記事タイトル、『2000万円の節税になる「おしどり贈与」に注意! 損をする可能性もあります!』を『2000万円が非課税になる「おしどり贈与」に注意! 損をする可能性もあります!』に修正(2021年6月28日15:45、ダイヤモンド社書籍編集局)

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