(3)飲み物の選択肢をなくす

 血糖値をコントロールするために、食事も飲み物もすべて気をつける、というのは食事そのものの楽しみを奪いかねません。「食べるのが好き!」な人は、飲み物に限定して、飲み物から糖質を徹底的に取らないようにする、というのも手でしょう。

 缶コーヒーや清涼印象水は言うまでもありませんが、コーヒーショップの甘いトッピングも要注意。液体の糖質は固形物以上に吸収が良く、より血糖値を上げやすいので、「普段の飲み物は水かお茶」「飲み物はストレート」と決めてしまいましょう。「何にしようかな?」と自販機や冷蔵ショーケースの前で悩むことがなくなると「誘惑に勝った負けた」の小さな自己嫌悪からも卒業できます。味気ないようですが、日本には無糖でもおいしいお茶類がたくさんあります。飲み物がシンプルになるほど、食事が今まで以上においしく感じることもあるはずです。

(4)食後に散歩をしよう

 食後すぐに運動をすると血糖値の上昇を抑えられるといわれています。消化に負担がかかるので、激しい運動はおすすめできませんが、在宅勤務中のランチ後であれば、散歩がてら夕食の買い出しに行くのでも良いでしょうし、夏場は夕食後に近所を散歩するというのも気持ちが良いものです。また、朝食後や昼食後ならば始業までの時間というタイムリミットがあるので、散歩する時間を確保するとなると、ダラダラ食べや食べすぎの予防にもなります。
 
 血糖値をコントロールする上で気をつけたいのは、「体重を減らすために食べない(もしくは欠食をする)」という選択です。食事を抜いたり極端に減らしたりすると低血糖状態になる一方、その反動でその後の食事で血糖値が急上昇します。

 食生活全体での食べすぎを減らせば、血糖値はコントロールしやすくなります。「食べない」選択ではなく、「食べすぎない」ための予防策を考えるのが得策です。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)