老後資産について不安に思っている人は多いだろうが、不安をあおる輩におびえる前に、公的年金制度などについて学べば、不安が遠のくはずだ。(経済評論家 塚崎公義)
老後資産の不安をあおる輩は多数
老後資産に関して、不安に思っている読者は多いだろうが、その大きな要因は、不安をあおる情報があふれていることであろう。惑わされないように気をつけたいものだ。
評論家は「大丈夫だろう」というより「こんな問題点もあり、こんなリスクもあって心配だ」という方が、客が興味を持ってくれるので、悲観的な話をしたがる。老後資産についても同様だ。
加えて、「将来は受け取れる年金が減らされるのだから、投資で稼がなくては」と、顧客を不安に陥れて投資商品を売り込もうという金融機関や業者も多い。
しかし、冷静に考えてみよう。現在の高齢者のほとんどは、ぜいたくはできないかもしれないが、なんとか生活できている。彼らが現役であったころも世の中には老後の不安をあおる輩が大勢いたし、実際に不安におびえていた人も多かったはずなのだが。
というわけで、いたずらに不安におびえるのではなく、公的年金制度などについてしっかり勉強し、自分がなんとかなりそうなのか否かをじっくり考えてみよう。多くの人は「なんとかなりそうだ」と感じるはずだ。