その5:使わない食器

 食器棚にやたらと食器が詰まっている、しかもほとんど使っていないままで、という家も要注意だ。使わないということは、今の生活になくても困らない証拠で、不用品が食器棚を占領しているのはスペースのムダでもある。しかし、食器は腐らないし、欠けてでもいないと捨てない。ほとんど未使用の状態だと処分するのはもったいなく感じて、そのまま居座っているのだ。

 そもそも使わない食器を買ってしまったのはなぜだろう。「本当は好きなデザインではないが、安くなっていたから」「勧められてなんとなく」「みんなが買っていたから」のように、自分の意思というより周囲の状況に流されてしまった結果ではないか。つまりは、お金を使うときの“自分軸”が定まっていないわけだ。

 他のアイテムでも、買ったはいいが使っていない新品同様のものが溜まっているなら、買い物の動機が人任せになっていないか振り返ってみた方がいい。「セールだから」「人気だから」と深く考えずに買ってしまったものが多いほど、お金は消えていく。どんなに安くても人気でも、自分の生活スタイルに合わないものは手を出さない人が、着々と貯蓄を増やしていくのだ。

 なお、使わないものはなるべく早く処分した方がいい。新しい方がフリマアプリでも高く売れるだろうし、溜まれば溜まるほど捨てる手間もストレスもかかるからだ。

その6:ショップカード

 財布の中にあるのが現金よりショップカードやポイントカードばかりという人は、残念ながら貯まらないタイプに入りそうだ。「カードを作るとポイントが貯まりますよ」と聞いて作ったとしても、そもそも割引やポイントは、買い物をしてこそメリットを受けられる仕組み。自分の店にどんどん来てほしいから行うサービスだ。中途半端にポイントが貯まってしまうと、それがもったいなく感じる。それを使うために、また店で買い物をする。「もったいない」のはポイントや優待ではなく、そうして払うお金なのだ。

 物理的なカードが溜まっていくのはまだしも、今どきはショップアプリに姿を変えている。かさばらないので整理しようという気にならない上、セールのお知らせやらポイントの有効期限のお知らせやらが次々スマホに届く。いろいろなエサをまいてお金を使わせようと手ぐすね引いているのだから、さらに手ごわい。くれぐれも、よく行く店以外のアプリは勧められても入れないことをお勧めしたい。