20万部のベストセラー待望のマンガ版『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』が発売された。前作で「転職は悪」という風潮に一石を投じ、日本人の働き方を変えた北野唯我氏が、今回は「自分にはキャリアの武器が何もない」と思っている主人公の奈美(もうすぐ30歳)の悩みに答えを出す。「やりたいことがなければダメ」「S級人材以外は有利な転職は無理」など転職の常識が次々と覆される。この連載では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
9割の人は、S級人材ではない
「S級人材」というのは、誰でも知っているような会社で働いていて、十分な実績を持ち、転職活動なんて経験せずにヘッドハンティングだけで転職先を決めていくような人たちです。
もちろん、こんな人たちは1割いるかいないかで、それ以外は、自分のキャリアに悩む普通の人たちです。転職に関しても、「いますぐ転職したい」と焦っている人は少ないかもしれません。
「自分は果たして違う会社でも働けるのか?」
「自分は転職市場で、どんな評価をもらえるのか?」
「今より楽しく働ける場所があるのか?」
こんなふうに、自分の働き方を見つめ直すきっかけとして、転職の可能性を考えている人のほうが多いのではないでしょうか。
転職を考えることは、自分の生き方を考えることです。
9割の人にとって転職活動とは、自分を再定義するチャンスでもあります。
・自分は何をしてきたのか
・自分は何ができるのか
・自分にはどういう価値があるのか
・自分はどういう生き方がしたいのか
私たちは、自分の役割を「再定義」し続けて生きています。
人生においては、子どものときは「扶養される人」、社会人になったら「独立して生活する人」、結婚したら「パートナーと生活する人」、子どもを持ったら「家族を養う人」、親が高齢になったら「介護する人」……。人生100年時代ですから、さらに再定義が続いていきます。
仕事に関しても実は同じです。会社の事情や社会情勢、人間関係、自分の成長など、さまざまな環境が日々変化しているはずです。その中で、自分の仕事における役割だけが変わらないということはあり得ません。
転職するかどうかは、結果にすぎません。転職の思考法を手に入れて、自分の役割を再定義してみましょう。
(※この記事は、『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』からの抜粋です。)