20万部のベストセラー待望のマンガ版『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』が発売された。前作で「転職は悪」という風潮に一石を投じ、日本人の働き方を変えた北野唯我氏が、今回は「自分にはキャリアの武器が何もない」と思っている主人公の奈美(もうすぐ30歳)の悩みに答えを出す。「やりたいことがなければダメ」「S級人材以外は有利な転職は無理」など転職の常識が次々と覆される。この連載では、本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
大事なのは転職よりも「転職できる」というカード
誤解して欲しくないのですが、本書は「何がなんでも転職すべき」と言っているわけではありません。大事なのは、転職自体ではなく、「転職できる」というカードを持つことだからです。
転職を考えてみた結果、「いつでも転職できるけど、あえて今の会社にとどまる」と決断する人もいます。今の会社で、胸の内ポケットにカードを隠し持つのです。
たとえば、お店に行って何かモノを買おうとするときに、商品の選択肢が1つしかなかったら―。ちょっとつまらないですよね。買い物は、「どれでも好きな商品を選べる」という権利を持っているから楽しくなるのです。
それと同じで、「この会社でしか生きていけない……」と思っていると、仕事に対して「やらされてる感」を持つでしょう。
逆に、「いつでも転職できるけど、今はこの会社で働こう」と思って仕事に向き合っていると、仕事に自発的に取り組めます。自分で選んだ仕事ですから、やりがいも感じられ、次はこうしよう、ああしようというアイデアも生まれるでしょう。上司の理不尽な仕打ちにも、はっきり「NO」と言えます。
同じ社内で働いていても、両者の仕事に向き合う姿勢は、まったく異なってくるのです。
転職を考えることは、外の世界を知ることです。そして、自分の市場価値を知ることでもあります。
もし、今の仕事にやりがいを感じられず、会社を辞めようかどうしようかと考えている人は、まず、外の世界に向けてアクションしてみてください。
たとえば、自分の会社にはいない職種の人、聞いたことのないような小さな会社で楽しそうに働いている人、そんな人たちの話を聞きに行くのもいいですね。転職エージェントに会って話をするのもいいでしょう。副業にチャレンジする、副業が禁止ならボランティアに参加するのもいいと思います。
会社の中にいて、半径5メートル以内の生活をしていると、自分のことはわかりません。外の世界を知ることによって、自分のことが相対化されて見えてくるはずです。
(※この記事は、『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』からの抜粋です。)