「あの額にある言葉、『敬天愛人』って西郷隆盛の言葉ですよね」

「稲盛和夫さんの講演会で聞いてね。以来、私の座右の銘なんだよ」

 そんな会話をするためには、「今日はなぜこのネクタイなんだろう」とか「今、声のトーンが変わったのはなぜだろう」とか、とにかく相手に関心を持つことです。

 ほら、好きな異性のことって、何でも関心が湧くではありませんか。

「趣味は何だろう?」「好きな食べ物は?」「映画は好きかな?」など、絶対に知りたいし、質問すると思います。その上で、自分のことも知ってもらいたくなる。

 でも、これがビジネスになると、自分のことや商品のことは知ってもらおうとするのに、なぜか、相手のことを知ろうとしない人が多い。これって不思議ですよね。

「事前準備」を
ここまでやるからうまくいく

 目の前にあるものをよく観察することが、いい「つかみ」につながります。

 そして、その「つかみ」をより強く、確実に成功につなげるのが――「事前準備」です。

 私は、初めての会社に訪問する前は、必ずその会社のホームページをチェックします。ホームページには、社長のメッセージや社訓、社是が必ず出ているからです。

 オフィスにうかがったときに観察力を使って見つける「つかみのネタ」を、事前にカンニングして予習してしまうというわけですね。