一方で、こんな声もある。

「国がこうした人材を見つけて、育ててくれなかったら、彼女は村で一生埋もれたままになる。やっぱり国に感謝すべきだ」

「彼女は、勉強が嫌いだから飛び込みを選んだと言っていました。全寮制で義務教育を受けながらスポーツで人生を変えたから、ほかの農村の子どもにとっても激励になるかもしれない」

「彼女はどんなに天才といっても、努力しなければチャンピオンにはならないでしょう。一日400回の飛び込みを練習するなんて、通常はできないはず。結局、幸運は努力する人に訪れるのだ。これからも彼女を応援する!」

 また、金メダル獲得後の全選手や家族の言動や行動も非常に大きな注目を集めた。中国国内では、全選手が届いた大量のお菓子(辣条)を村の子どもたちに配ったことや、彼女の父親が奨励金を断ったことなどが報道されている。父親は「娘の栄誉を消費されたくないので、私たち自身の力で生きていきます。家族に静かに過ごさせてください」とメディアに語った。こうした慎ましいコメントは、多くの人々を感動させた。

 経済的な格差があっても懸命に頑張る全選手の姿は、多くの同じ境遇の子どもたちを勇気を付け、彼女を目指して今後の人生を歩んでいく子どもたちもたくさん出ることだろう。

 ただ、いずれにしても全選手を一時的に英雄視するだけではなく、彼女のこれからの人生も注視する必要がある。また、農村部には親が都市部に出稼ぎに行き、残されている「留守児童」たちがたくさんいる。そうした子どもたちの将来、全選手の陰に隠れた弱い立場の人々の運命にも国家やメディアは目を向けなければならないし、国民も思いを寄せなければならないだろう。