「使えない上司」だと
部下から認定されるのはこんな人
この連載をしているからなのだろうが、上司に対する不満、とくに、やる気のある若手から、うちの「使えない上司」をどうにかしてほしいという相談をよく受ける。「使えない」というと上司が部下に対して使うものだと思われるかもしれないが、実は部下もよく使っている。目的の遂行に照らして本来あるべき役割を果たせない上司に対して「使えない」という烙印(らくいん)を押し、まったく期待をせずに、最低限の関係だけを維持するのだという。では、どんな上司が「使えない上司認定」をされてしまうのか、掘り下げてみよう。
「使えない上司」とは、つまるところ「役に立たない上司」である。上司には、目標遂行のための、業務のコントロールタワー的な役割と、組織メンバーの紐帯として全体をまとめていく役割が求められているが、昨今、とくに「使えない」と言って不満が述べられるポイントは以下の四つである。
1.情報伝達能力の欠如
2.企画推進の方法論の欠如
3.上通性の欠如
4.公平感の欠如
1.情報伝達能力の欠如:
必要な情報を必要な人にもたらしていない
コロナ以降、リモートワークでメンバーが毎日顔を合わせないことが普通になった。そのため、社員が会社の方向性や戦略、仕事を推進するうえで必要な情報を共有できていない状況になっている。上司がコントロールタワーとして、必要な情報を必要な人に情報を伝達するハンドリング能力がたいへん重要になっているのだが、残念なことに、この能力は管理職の間で驚くほど開発されていない。