とにかく安心させるとともに証拠を残す

 このような人物が上司の場合、物事を進める際には、とにかく責任が上司に及ぶようなことにはならないということを強調し、安心させることが大切だ。

 その際に重要なのは、前例を探すこと。前例がありさえすれば、保身的な上司でも、安心してゴーサインを出せるはずだ。似たような例でもいいから、前例に相当するものがないかどうか探してみることだ。

 また、何か許可をもらう際に、上司が承諾を渋るようなときは、

「私の責任ということで結構ですので。けっしてご迷惑をおかけするようなことにはしませんので、すみませんがよろしくお願いします」

 と、責任はこちらが持つということを念押しして丁重に頼むのがよいだろう。自分のやり方で問題ないし、そうすることが何としても必要だと思う場合は、自分が勝手にやったことにしていいからといって説得する手もある。

 ただし、このタイプは、自分に自信がないため、意識しないようにしていても、自分が保身的に生きていることにコンプレックスを持っている。そのため、堂々と正攻法で生きている人物に対して、内心では引け目を感じ、時に脅威を感じていたりする。ゆえに、くれぐれもコンプレックスを刺激しないようにしたい。

 心の中に、そのような上司の情けなさにあきれる気持ちがあるのは仕方ないにしても、それを察知されないことが大切だ。言葉の端々に、相手を軽んじるような雰囲気が漂わないように注意することが必要だ。

 このような上司や先輩は、プライドより保身が大事なため、何かトラブルがあった場合に責任をなすりつけられ、捨て石にされかねない。ゆえに、日頃から密になりすぎないように適度に距離を置いておく必要がある。