シリーズ18万部突破の最新刊『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』の著者・精神科医Tomy先生が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」で元気が湧き出る言葉を音声配信。終わりの見えないコロナ禍で、不安やストレスを抱えがちないま、言葉のパワーで心のなかに小さな希望を増やしてくれる。きょうのひとことは、これ!
「人生の基本ポジションはアイドリングよ」

安定した精神状態を保つ方法Photo:Adobe Stock

ストレスフリーの状態は本当にいいのか?

きょうのひとことは、
「人生の基本ポジションはアイドリングよ」

一見すると、いったい何をいいたいのか、わかないかもしれません。

ただ、これはすごく大事な言葉なんです。

ここでいう「基本ポジション」っていうのは、基本的に何もない状態のこと。

「アイドリング」というのは、エンジンをかけた状態のまま車を停めておくことを意味します。

人生において、ストレスってなるべく減らしたほうがいい。

とは思うんですけれども、たまたま何も起こらない時期というのもあります。

いろいろなことがうまくいっているとと、ストレスがほとんとない状態になる。

やるべきことが何もない。何も悩みになることはない。

一見うらやましいような状態が起こることがあるんですね。

ただし、一度その状態に慣れてしまうと、やっかいなことになりかねません。

そんな状態は、長く続かない。

環境がガラリと変わることっていうは、しょっちゅうあります。

そうしたときに、まったくストレスに対応できないとなると、大きな問題に発展しかねないのです。

ちょっと朝早く起きなきゃいけないとか、定期的にやらないといけないことがあるとか、何か任されてしまったとか。

そういうちょっとしたことでも、以前はできていたはずなのに、ぜんぜん対応できなくなる。

何かものごとを最初にはじめようとするときは、ものすごくエネルギーを使います。

何もない状態になれてしまうと、何かをしようとしたときに、ちょっとしたことでフラフラになってしまうとこうことが起こるんですね。

だから、何もなくて穏やかな時期でも、ちょっと嫌なこと、ちょっと面倒くさいこと、定期的にやらないといけないことなんかを自分で人工的につくっておく。

完全にやることがなくてフリーであるという、一見するとうらやましいような状態はつくらないほうが、のちのちのことを考えるとむしろいいのです。

たとえ走らなくても、エンジンをかけた状態のままにして待機しておく。

少しやらなきゃいけないことを自分でつくっておく。

このことをアイドリングというふうに表現したわけです。

完全にストレスがない状態をつくってしまってしまうと、そのこと自体がストレスになり得るってことでもあるんです。

きょうのひとことは、
「人生の基本ポジションはアイドリングよ」
でした。

参考になったかしら?