<戦略4>レラティブ・バリュー戦略
 直訳すると「相対的価値」のことで、価格の歪みが生じている金融商品はいずれ理論価格に収斂するという考えに基づき、例えば割安な資産を買い、割高な資産を空売りすることで利益を得る。

<戦略5>イベント・ドリブン戦略
 企業経営に重大な影響を与えるM&Aやリストラなどのコーポレートイベントに乗じて利益を上げる。自らが「モノ言う株主」として企業に経営変革を働きかけるなど、多彩な手法が用いられる。

 駆け足での説明となったが、以上が海外ヘッジファンドの主要な投資戦略である。日本の一般的なファンドでは、とりあえず将来値上がりしそうな銘柄を買うだけ、という戦略がほとんどであるから、市況全体が悪くなれば損が膨らむだけで、なすすべはない。そうした日本の一般的なファンドと、海外の一流ファンドで運用パフォーマンスに大差が付くのは当然なのである。

ファンドが抱える
2つのリスクとは?

 無論、海外ヘッジファンドがいいことずくめというわけではない。ヘッジファンドに限らず、ファンドには必ずリスクがともなうからだ。「高利回りヘッジファンドの買い方を早く教えろ」というはやる気持ちを抑えて、以下の説明を御覧頂きたい。

 ファンドが抱えるリスクは2つ、運用にともなう「運用リスク」と、ファンドを組成するスキームによる「ビジネスリスク」がある。まず「運用リスク」は次の通りである。

<1>    価格変動リスク…価格変動によって資産価値が減少するリスク
<2>    為替変動リスク…外貨建ての商品に投資し、為替の変動で資産価値が減少するリスク
<3>    金利変動リスク…金利の上下によってリターンが減少するリスク
<4>    カントリーリスク…投資先の国・地域の政治経済情勢が不安定化して、市場に混乱が生じ、資産価値が減少するリスク
<5>   流動性リスク…投資する株や債券などの取引量(出来高)が少なくなることで、希望する価格で売買できなくなるリスク

 このうち、<1>の価格変動リスクと<3>の金利変動リスクについては、ヘッジファンドは株式相場や金利動向の影響を受けない「絶対リターン」を目指しているので、一般的な投資信託に比べれば、一部の積極的なファンドを除くと、相対的にリスクは小さいといえる。また、<2>の為替変動リスクについては、海外で設定されるヘッジファンドは基本的に外貨建てなので、近年は為替レートは安定しているが、円高が進めばリターンが減る可能性はある。

 同様に<4>のカントリーリスクも、投資先の国・地域や、ファンドが設定・運用されている国・地域の情勢の変化によっては、まったく影響を受けないとは断言できない。<5>の流動性リスクについては、ファンドの戦略によっては、流動性の低い資産の割合が高くなるものもあるので注意が必要だ。