中小企業は優秀な人材を集めるのに苦労する?
いいえ、そんなことはありません。
採るべきは、立派な大企業やいわゆる「普通の会社」では一次面接で落とされてしまうような「アホなやつ」や、入社後も早々に上司と衝突してしまいかねない「ヘンなやつ」。なぜ、「アホ」と「ヘン」が「一人一億」稼ぎ続けるために必要なのか。4代続く老舗中小企業に蓄積された人材にまつわる知恵を明かす。連載最終回。
「一次面接落ち」の人材こそ、採る
会社に限らず組織っていうのは、社員みんなを同じ色に染めようとする。
よその会社を訪ねると、若手から中堅、古参までみーんなどことなく似ている。たぶん、そういう会社は採用の段階から似たような人ばかりを採るようにしているんだろうし、入社してからも、ちょっとでもまわりと違っていたら、注意したり教育したりして直していくんだろうな。だから、何年かしたら年寄り夫婦みたいに似てくる。
だけど、ウチの会社はそれをしない。「ヘンなやつ」はヘンなまま、「アホなやつ」はアホなままにしておく。「ヘン」とか「アホ」は、平たく言えば、型にはまってない人のこと。物事を見たり考えたりする時に、いろんな方向から捉えられる人を、僕は「ヘンなやつ」「アホなやつ」と呼んでかわいがってる。矯正しようとしない。のびのびさせておく。
だから、そういうやつが隅で小さくなっていたり、奥に引っ込んでいたりしないで、結構存在感を放ってる。