「自社の利益を最大化する」以外に
企業が考えなくてはいけないこと

 私は2001年に証券業界に入り、2007年から弊社で働いております。今は業務推進部長として、SDGs/ESGやサステナビリティに関する啓発活動を通じて業務を展開しております。

 サステナビリティの話をしていく際に、まずご理解いただきたいことは、社会の価値観が変わってきているということです(図表3)。

企業は「サステナビリティ」とどう向き合うべきか図表3

 これまで地球上でさまざまな経済活動が行われてきた中では、「自分の利益をどんどん最大化しましょう。それが結果的には、社会全体にとっても良いことなんですよ」というマインドだったかと思います。

 ただ、この行き着いた先というのが、株主の短期的な利益を重視する株主至上主義のようなものであり、それが結果的にリーマン・ショックを引き起こしてしまったのかもしれません。地球環境もだいぶ傷んでしまいました。そして、自分の利益だけではなく、地球環境や社会のことも気にしてもらえないかという考え方が、幅広く支持されるようになってきたのではないでしょうか(図表4)。

企業は「サステナビリティ」とどう向き合うべきか図表4

 こういった状況になってくると、企業は社会全体を見たうえで、いろんなステークホルダーとちゃんと向き合っていくことが求められてきます。

 さらにはここにSNSというものが入ってきまして、情報の透明度、かつ拡散力が格段に上がっています。そういった世の中では、「マルチステークホルダー型」ともいいますけど、いろんなステークホルダーを巻き込んだ取り組みが必要となります。

 この株主至上資本主義とマルチステークホルダー型資本主義の何が違うのかは、今日のテーマの1つでもありますが、目的と手段というものを明確に認識していくとわかるはずです。どちらにしても資本主義である以上、企業の目的は企業価値の最大化であるはずでしょう。では何が違うかというと、手段が違う。企業価値の最大化のためにいろんなステークホルダーとの協働が必要になってきたのが、今の時代でよく言われるマルチステークホルダー型資本主義ではないでしょうか。