衆院選後、参院選までの株価は堅調?
物色されやすい景気敏感セクター

 今回は、自民党総裁選、衆院選、来年の参院選と選挙が続く。すでに終わった自民党総裁選と株価については、衆院選ほどの強い相関はないもようだ。

 ちなみに宏池会の自民党総裁が誕生した場合、初代会長の池田勇人内閣を除けば株価はぱっとしない。総裁選から30日後までの間で見ると、第1次大平正芳内閣で2.9%、鈴木善幸内閣で3.0%それぞれ上昇、宮沢喜一内閣はマイナス9.4%、谷垣禎一総裁でマイナス9.3%と低迷している。政策うんぬんより、総裁就任のタイミングの問題によるのだろう。

 次に参院選と株価である。今回のように衆院選の1年以内か1年後くらいまでに参院選が行われたケースは、70年以降では6回あり、うち4回上昇し、2回下落となっている。

 2001年の参院選では、衆院選から30%以上の大幅な下落となったのは当時のITバブル崩壊のインパクトが大きい。10年の参院選でも下落しているが、このときは民主党政権への期待感の剥落という特殊事情があった。

 その他は上昇していることから、衆院選後に参院選が行われるケースでは比較的、株価が堅調に推移しそうだとみていいかもしれない。

 2000年以降の物色動向を確認しておこう。選挙前後1カ月を通じて、景気敏感セクターが買われやすく、内需系のセクターが売られやすい傾向があるようだ。景気敏感でも、海運などの運輸セクターや鉄鋼、非鉄金属などが相対的に上昇している。一方で、情報・通信、卸売業、金融など、政治的に力の弱そうな業界の株価が低迷しているように見える。

 選挙で株価が上がるというのは、理屈では説明できなりアノマリーの一つだ。当たるも八卦、当たらぬも八卦と受け止めるのが正解である。だが、政治の秋にあって株式市場の参加者の関心度がより高まり、影響を受けるのは間違いない。参院選に向けての長丁場となる中で、しばらくは政治から目が離せない。