大阪生まれのコピーライターが「ツッコミはマウンティング」と断じる理由

前著『読みたいことを、書けばいい。』が16万部を突破し「文章本」の常識を覆した田中泰延氏。新作『会って、話すこと。』が発売直後に大重版がかかり快進撃を続けている。これまで無数にある「会話本」や「コミュニケーション術」とは真逆と言っていい切り口で「今、会って、話すこと」そのものを問う一冊。田中さんに実際に会って話を聞きに行くと、ボケと冗談のオンパレードだった。ところが、不思議と「会話ってそういうものかもしれない」「僕たちはもっと楽に構えていいのかもしれない」と思えてくる。バカ話と侮るなかれ。私たちが本当に望んでいる「会話」とは何か。たっぷりと話を聞いた。(取材・構成/イイダテツヤ、撮影/疋田千里、編集/今野良介)

日常会話に「ツッコミ」が要らない理由

──今日は『会って、話すこと。』という本について、いろいろ聞かせていただきますのでよろしくお願いします。

田中泰延(以下、田中):そう言われましても中身があることは言えない身体です。どうでもいいことをしゃべると思います。問題は、いっしょうけんめいどうでもいいことをずっとしゃべっていたのに、記事になると「田中泰延氏は時折ユーモアを交えて」などとまとめられることです。あれはツラい。

──よくありますね。

田中:なんでや、と。こっちはずっとふざけてたのに、と。途中にちょっとだけ話したスキル的なサムシングがツギハギされてめちゃくちゃ要約された真面目な話になっていると、ガクッときます。

──この記事は私がまとめるんで……気をつけます。それで『会って、話すこと。』についてなのですが。

田中:はい。まずわたしがこの本を岸見一郎先生とふたりで作り上げたのは、日本でアドラーという人があまり知られていなかったことが大きいですね。

大阪生まれのコピーライターが「ツッコミはマウンティング」と断じる理由対話の部分は苦労しました。

 

──あの、ちょっと……

田中:はい?

大阪生まれのコピーライターが「ツッコミはマウンティング」と断じる理由なんや人が気持ちよくしゃべっとるのに。

──私も『会って、話すこと。』はもちろん読んでいまして、そこに「ボケにツッコんではいけない」と書いてあって、どうすればいいのかなと……

田中:いや、インタビュアーの方はツッコんでもいいんじゃないですか(笑)。話を戻すのがお仕事でしょうから。

──ありがとうございます。せっかくなのでお聞きしたいんですが、そもそも、なぜツッコむのはよくないのでしょう?

田中:日常生活を振り返ってみたとき、やたらツッコんでくる人って思い当たりませんか。いい感じで話が広がってるときに「違うやろ!」のひと言で終わらせちゃう人とか。

──いますね。

田中:それと並んでよくあるのが、人が話してる途中で「で、オチは?」って言う人。そういう人と話をしてて、おもしろくなった試しがない。

──たしかに、イヤな感じです。ちなみに田中さんって関西出身ですよね?

田中:大阪です。

──大阪の方ってむしろ、ツッコんだり話にオチを求めるような印象があるんですけど、そんなことはないんですか?

田中:じつは、それが逆なんですよ。