民主党政権の失敗を覚えている国民、「野党共闘」は練り直しを

 一方、「野党共闘」が千載一遇の政権交代の好機を逃したのも、「自民党の底力」だったといえる。

 立憲民主党や共産党などの野党は、数合わせの「共闘」に総選挙ギリギリまで必死だった。そのため、政党として最も大事なことである「政策」の立案を「市民連合」なる外部の組織に丸投げすることになってしまった(第287回・p2)。

 これも、自民党の強さに屈したことを示している。前述の通り、野党は「政策」で自民党と違いを出すことができない。だから、とにかく共闘して小選挙区の候補者を1人に絞り、「反自民」を打ち出して闘うしかなくなってしまうのだ。

 また、野党共闘の苦しいところは、政策をめぐって内部分裂し、混乱の果てに崩壊した民主党政権のことを、国民がしっかり覚えていることだ(第196回)。「寄り合い所帯」では政権担当はできないという、国民の不信感が払拭(ふっしょく)されない以上、野党共闘が政権交代を実現するような勢いを得ることはできない。別の戦略を考える必要がある。

 今後の野党のあり方を考えるために、れいわ新選組と日本維新の会の総選挙の結果について考えてみたい。