2022年3月期中間決算から「最速」のタイミングで、大人気の決算書特集をお届けする。今回の決算の重要ポイントは、“来期の見通し”だ。コロナ禍からの経済復活をにらんで、企業がどのようなストーリーを携えて成長戦略を描いているのかが如実に分かる。ビジネスパーソンや投資家にとって、決算書は最大の情報源だといえるのだ。ダイヤモンド編集部の会計特集はシリーズ累計126万部(「週刊ダイヤモンド」)。中でもこの『決算書100本ノック!』は人気企画である。日々流れる経済ニュースが、決算書ではどのように反映されているのか。『決算書100本ノック! 2021冬』では、簿記や仕訳など難しい予備知識ゼロでも理解できるように、「財務3表」を大きな図で分かりやすく解説。おのずと決算書の勘所が身に付く設計になっている。決算書をマスターできれば、あなたのキャリアが豊かになること間違いなしだ。11月22日(月)から11月30日(火)までの全16回でお届けする。
#1 11月22日(月)配信
MS&ADの「人件費・代理店手数料」は大リストラ不可避!独自試算で海外大手と戦える水準が判明
三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に抱えるMS&ADインシュアランスグループホールディングスの目標は、海外大手保険会社と肩を並べること。目標達成のために必要なコスト削減額を試算したところ、想像以上に厳しいコスト削減が必要だという結果が算出された。社員の人件費はどれくらい削減され、代理店手数料はどのような影響を受けるのか明らかにする。
#2 11月22日(月)配信
ANA無念の黒字化撤回で直面する「財務3大恐怖」、知られざる自己資本・資産の劣化
航空大手ANAホールディングス(HD)は今期黒字化を目指してきたが、中間決算のタイミングで無念の赤字予想に転じた。2期連続で大赤字を見込むことにより、「財務の三大恐怖」に直面する。ANAHDと日本航空(JAL)の決算書から「財務の三大恐怖」と併せて自己資本の質が悪化している実態に迫る。
#3 11月23日(火)配信
イオンのEC売上高「5年で14倍の1兆円」は大風呂敷?ウォルマートとのIT投資格差は歴然
イオンがネットスーパーなどデジタル売上高を5年で14倍の1兆円に引き上げるという「大風呂敷」を広げた。いち早くデジタル化に挑んだ米小売りの巨人、ウォルマートは新店への投資を事実上「凍結」するなど大胆に設備投資の配分を見直した。イオンの投資はどうなるのか。両者の設備投資を独自に検証・比較し、イオンのデジタルシフトの成算を占う。
#4 11月23日(火)配信
武田薬品が「PBR1倍割れ」の屈辱、6兆円買収のブーメラン直撃で大手製薬独り負けの末路
国内製薬トップの武田薬品工業は株価の割安・割高を知る指標「PBR」で、競合より激しく見劣りする。巨額企業買収で企業価値をいったんは上げたものの、同時に貸借対照表(バランスシート、BS)の「ある勘定科目」が増えたことがブーメランとなっているのだ。武田薬品独自のBSの推移を考察する。
#5 11月24日(水)配信
百貨店は“最悪期脱出”も、三越伊勢丹の復調が大手で最も鈍い理由
新型コロナウイルスのワクチン接種の拡大で新規感染者数は激減した。昨年の春はほぼ全館休業に追い込まれ大打撃を受けた百貨店の売り上げは回復基調にあるが、厳しい状態が続く。ダイヤモンド編集部の独自試算で、昨年同期から営業利益が20%増加していても、コロナ前の水準に届かない厳しい見通しを示す。
#6 11月24日(水)配信
アサヒとキリンの海外大型買収が21年は一服の理由と、次に買う「時期とジャンル」は?
国内ビール市場が縮小を続ける中、ビール2強のアサヒグループホールディングスとキリンホールディングスは海外M&A(企業の合併、買収)に活路を見出してきた。しかし21年には、目立ったM&Aは行われていない。決算書を読み解き、21年に海外M&Aが“凪”となっている理由と、両者が次に買収する「時期」と「ジャンル」を明らかにする。
#7 11月25日(木)配信
北海道の農業商社ホクレン、三菱商事を凌ぐ驚異の配当力で広がるJA全農との経営格差
JAグループには農業商社の役割を担うJA全農という全国組織があるが、北海道のホクレンは全農に統合せず独立を保っている。両者の「配当力」を比較すると、その違いが出資者である地域農協の経営格差につながっている実態が分かった。
#8 11月25日(木)配信
みずほがシステム障害8回でも純利益8割増!三井住友FGも焦る利益爆増の「カラクリ」
今年8回のシステム障害を起こすという大失態を招いたみずほフィナンシャルグループだが、決算は好調だ。純利益でみると、三井住友フィナンシャルグループと互角の戦いを見せているが、利益急増の裏には税効果を駆使した「カラクリ」があった。
#9 11月26日(金)配信
カプコン8期連続増益のカラクリ、ゲームを「安く開発・早く投資回収」の秘密と旧作延命術
カプコンの業績が絶好調だ。デジタル販売比率の上昇に加えて、見逃せないのが旧作販売比率の高まりである。コンテンツの長寿命化により、開発投資の水準と比較して高い売り上げを生み出しているのだ。
#10 11月27日(土)配信
大和ハウスが不動産事業で攻めきれない股裂きの苦悩、三井不動産との「借金格差」鮮明
建設業界トップの大和ハウス工業は、創業100年の2055年に売上高10兆円を目指す。成長の源泉は不動産投資による「攻め」の経営だ。だが、同時に借金を抑えようという「守り」にもこだわり、攻めに振り切れない「二つの懸念」の中身に迫る。
#11 11月27日(土)配信
セブン&アイHDの命運が「ガソリン価格」に翻弄されかねない意外な理由
国内コンビニ市場が頭打ちの中、セブン&アイ・ホールディングスが活路を見いだそうとしているのは海外だ。今春には約2.4兆円を投じた米国のコンビニチェーンの買収が完了し、米コンビニ事業を次なる成長の柱と位置付ける。ところが、米コンビニ事業に本腰を入れたことで、ガソリン価格という業績の変動要因が新たに加わった。
#12 11月28日(日)配信
スルガ銀行に迫るアパマン融資“帳消しリスク”の「意外な試算結果」と、2つ目の火種の正体
2018年に勃発したシェアハウス融資問題がようやく解決に向かおうとしているスルガ銀行。だが新たに、投資用アパート・マンション向け融資(アパマンローン)を巡って引当金の計上リスクが急浮上している。アパマンローンがスルガ銀の自己資本をどれだけ毀損するのかを試算すると共に、スルガ銀が抱える“二つの火種”をあぶり出した。
#13 11月28日(日)配信
楽天の携帯巨額赤字で急浮上「3つの資金繰り策」、生煮えの楽天銀行IPO案にすがる窮地
楽天グループは、携帯電話事業の赤字が続いて財務悪化が隠せない。今年3月に日本郵政などからの出資で2400億円の資本を増強したが、いまだ自己資本比率は低水準で、有利子負債は過去最大規模に膨らんだ。今後、楽天が取り得る財務改善の選択肢を探った。
#14 11月29日(月)配信
JR4社「55歳以上社員・大量退職後」の人件費格差を初試算!260億円浮く会社も
ダイヤモンド編集部ではJR4社で5年後に55歳以上の社員が大量退職した場合に、人件費の構造がどのように変化するのか初めて試算をした。JRにとって大規模リストラは鬼門のような存在で、手を付けずにきた。コロナ禍でも私鉄に比べリストラの歩みは遅い。果たして、大量退職でコストは改善するのか。意外な結果となった初試算を公開。さらに、JR東海の営業利益を押し上げるカラクリについてもお伝えする。
#15 11月30日(火)配信
日産が1兆円減収でも利益は上方修正のカラクリ、トヨタと明暗分ける「値引き」裏事情
2021年3月期まで2期連続の赤字に転落した日産自動車が自信を取り戻しているかのように見える。22年3月期の通期見通しでは、売上高予想が約1兆円も下振れするのに、営業利益は上方修正したのだ。半導体不足に伴う減産の長期化や原材料高騰などに警戒感を強める自動車メーカーが相次ぐ中、日産が上方修正できたのはなぜなのか。そのカラクリの背景にある値引きの裏事情に迫る。
#16 12月1日(水)配信
野村HDがまたも米巨額損失で大ゴケ、“独り負け”最新決算で判明した「2大リスク」
野村ホールディングスは2021年4~9月期決算で、純利益が前年同期比75%減の517億円に沈んだ。競合他社の業績が堅調な中、減益幅で独り負けの決算を読み解くと、野村が抱える二大リスクが見えてくる。そのリスクの中身を明らかにする。
Key Visual by Noriyo Shinoda