ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんと、夫の花輪俊行さんによる連載の2回目は、30年で1億円を貯めるための基本戦略について考えます。普通の夫婦が大きな目標を達成するにはどうしたらいいのでしょうか。シミュレーションをしてみました。
夢はでっかく1億円!
夫婦で一緒に戦略をたてて、資産づくりを始めよう!――というのがこの連載のテーマです。目標は人それぞれですが、ここは大きく「1億円」を掲げてみたいと思います。
1億円なんてとても無理と思われるかもしれません。
もちろん1年で1億円を貯めるということではありません。
これからの長い人生の中で、少しずつ着実に貯めていこう、そのやり方を一緒に考えようということです。
今、30歳前後の若い夫婦が定年の頃までに1億円を貯めるにはどうしたらいいか。30年で1億円を貯めることを目標に考えていきたいと思います。
時間を味方にして1億円をつくる
では、シミュレーションをしてみます。
30年間かけて1億円の資産をつくろうとした場合、年ごとに按分すると毎年333万円を貯めていく必要があります。これはかなり難しいですよね。
そこで、仮に年200万円貯めるとします(これも相当な数字ですが仮においてみます)。
毎年200万円の貯金を30年間続けると、6000万円になります。これだけでもかなりの金額ですが、これを「複利」で運用できたとするとどうなるでしょうか。
下のグラフを見てみてください。
毎年200万円を、年利3%の複利で運用した場合、30年後にいくらになるかを示したものです。30年で約1億円になることがわかります。
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毎年200万円を年利3%の複利で運用すれば1億円になる――1億円という金額が少しだけ具体的に見えてきたようですね。
複利とは、得られた利息をそのまま再投資にまわす仕組みを言います。
たとえば、元本100万円を年利1%で複利運用するとします。
1年後は利息が付いて100万円は101万円になります。次の年は、この101万円に1%の利息が付くので102万100円になります。その次の年は102万100円に1%の利息が付くので103万301円になります。
ちょっとずつですが、元本が増えることで、利息の額も増えていっていることにお気づきでしょうか。1年目は1万円だった利息が、2年目には1万100円に、3年目には1万201円になっています。
この例では3年間と期間が短いため、あまり複利のパワーを感じられないかもしれません。しかし、長期間運用する場合は、複利のパワーはあなどれない程、大きなものになります。