どう改善する?反省すべき「日本人の基準」

 まず、賃金を他の先進国並みに引き上げる。と言っても、企業に任せていたらいつまでも上がらない。企業側の「景気が良くなったら自主的に上げますんで」という言い訳で、日本はすっかり低賃金が定着してしまっているのだ。

 もちろん、今や日本名物となってしまった、過重労働や社内イジメなどパワハラ文化も徹底的に見直す。

 なぜ日本人の待遇改善が、外国人の待遇改善に繋がるのかというと、歴史の教訓がそう示している。今の経営者が戦前の経営者と同じような発想であるように、日本の「外国人」の待遇も実はそれほど戦前と変わっていないのだ。

 それは一言で言えば、「日本人の待遇」とそろえる、ということだ。

「人種差別などしていなくて素晴らしいじゃないか」と思うかもしれないが、国際的なルールや、他国の文化などをすべて無視して、「日本人」に合わせてしまうのだ。だから、日本人の感覚では「教育・シゴキ」というつもりのものが、国際社会の感覚では「体罰・虐待」に見える、という“日本あるある”が発生する。

 その代表が、戦時中の「捕虜」だ。

 日露戦争まで日本は国際社会で、捕虜を非常に丁重に扱ってくれる国という評判だった。しかし、太平洋戦争で評価が真逆になる。イギリスやアメリカの捕虜をもっとも多く殺害した国になってしまったのだ。