『週刊ダイヤモンド』12月4日号の第一特集は「中間決算を最速反映!逆境に克つ!強い株」です。本特集では、直近の中間決算の結果を踏まえ、コロナ後を勝ち抜ける「強い株」を開陳。現下の日本株投資で注目したい「7つのキーワード」にひも付けながら、二極化が進む中で勝ち馬となる銘柄やセクターはどこなのか。トップアナリストらの分析に基づき、延べ500社超の明暗を徹底的に明らかにしました。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
日本株投資「7つのキーワード」の一つはDX
中間決算にITベンダー「淘汰」の予兆が表れた!

「ベンダーロックイン解消の影響が思っていた以上に表れた」。ITベンダー業界の中間決算結果について、同業界のトップアナリストである大和証券の上野真氏は驚きの声を上げる。
「ベンダーロックイン」とは、特定のベンダーの独自システムで顧客先との契約が長期間固定化すること。9月にデジタル庁が発足した際、その裏目的に、大手数社が政府系の情報システムを長年牛耳ってきたことへの切り崩しがあるなどとして取り沙汰された言葉だが、上野氏が言及しているのは企業向けの話だ。
何しろ同氏によれば、効率性を重視する欧米では、経費や人事などは共通したパッケージシステムを活用する企業が多く、例えばある人が違う会社に移っても同様の運用ノウハウが通用する。ところが、日本では企業ごとの非効率な独自の業務体制が放置され、ITシステムも個社ごとに仕様をカスタマイズせざるを得ないケースが多かった。