全人類が「4つの仮面」を持っている
この人間関係のマトリックスを理解するうえで、非常に大事なのが「ずっと同じタイプの人はいない」ということです。各タイプの特徴を知ると、自分を一つのタイプに固定したくなりますが、そんな人はほとんどいません。
「自分は常に○○タイプだ」と考える人ほど、人間関係に苦しみやすい傾向があるので要注意です。実際は、どんな人であろうと「周囲の環境」によって、4タイプをうろうろしているのです。
マモル:たしかに、コミュニケーション相手が会社の上司・同僚・学生時代の友達・母親・弟、誰かによって、自分のタイプって全然違うなぁ。
より具体的にいえば、「相手の対角になる」という傾向があります。
たとえば、下の図で、もし相手が左上「ポジティブ&自立型」のリーダータイプ傾向が強い場合、あなたは自然とその対角線にある、右下の「ネガティブ&依存型」のカウンセラータイプに移動することになります。
相手が左下「ネガティブ&自立型」の管理職タイプだと、自然と自分は右上「ポジティブ&依存型」のムードメーカータイプになりがち。これが人間関係の力学です。
マモル:じゃあ、サラタメさん。2人とも「リーダータイプ」の傾向が強い場合はどうなっちゃうんですか?
サラタメ:その場合も、より「リーダー」気質が強い人が「リーダー」に残ります。一方、比較的リーダー気質が弱い人は、対角線のカウンセラータイプに移動することになります。
マモル:へ~! 自分の性格タイプが、生まれ持っての資質だけじゃなくて、相手のタイプによって動かされるっていうのは、おもしろいっすね。発見です!
端っこに落ちるとゲームオーバー
マモル:で、サラタメさん! ボクはどのタイプを目指せばいいんですか?
サラタメ:目指すべきタイプはありません。ただ、超ザックリいうと、4つを行き来できる人が最強です。そして、一つのタイプから抜け出せなくなった人は、精神的に追い込まれることになります。
「○○タイプが一番優れている」ということはありません。どのタイプにも長所と短所があり、横並びの存在。結論、最悪なのはポジションが固定化され、マトリックスの端にいきすぎてしまうことなのです。
サラタメ:たとえば、マモルさんが山根係長の前で、ゴキゲンを取るためにムードメーカー役を演じ続けると、ポジションが固定化されて最悪な展開になりかねません。お互いのポジションが強化され、どんどんマトリックスの端っこにいってしまうんです……!!
(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)