笑顔で引き受けてもらえる
「コトバのつくり方」
1.自分の頭で考えない
「自分の頭の中」だけで考えず、「相手の頭の中」を想像しながら、お願いするコトバをつくりましょう。
というのも、大前提として「お願いする自分」と「お願いを受ける相手」の頭の中は、まるっきり別モノだからです。たとえ同じ会社にいる上司や同僚だろうと、頭の中にある「欲望」や「不安」は、人それぞれ違います。
自分の「欲望」と「不安」からはいったん離れて、相手の「欲望」と「不安」に寄り添うことがファーストステップです。自分の頭に思いついたことを、そのまま口に出さないことから始めてみてください。そして次の具体例を参考にして、「相手が言ってほしそうなコトバ」に言い換えてみましょう。
〈例〉
上司に
×「資料提出の締切日を延ばしてほしいです」
◯「明日の午前までお時間いただけたら、もっとよくできそうなんですが」
上司が抱く「締切日をどこまで延ばすつもりなんだ?」という不安を、「明日の午前」という明確な期日で解消。資料のクオリティが上がることは、上司にとってもメリットなので、その期待感を持たせている。
他部署の人に
×「プレゼン資料を作成してほしいです」
◯「田中さんの資料だと得意先のウケが段違いなので、『市場動向』の部分をお任せしたいのですが?」
→「田中さんだからこそお願いしている」ことを強調し、人間誰しも持っている「承認欲求」を刺激。また「市場動向」の部分だけと、業務範囲を田中さんの得意分野に絞ってあげることで不安を解消。
サラタメ:答えは、常に相手の頭の中にあるんです。自分の頭の中だけで悩むのではなく、相手のメリットや不安を想像してみましょう。具体的なお願いフレーズを考えるのは、その後です!
2.チームを意識させる
人は「仲間意識」を持つとお願いを断りにくくなり、快く引き受けてくれる確率が高まります。大事なことは相手に、「自分から相手への一対一のお願い」ではなく、「チームの仕事を一緒に分担している」と認識してもらうことです。
サラタメ:キーワードは「一緒に」と「おかげさまで」の2つです!
一緒に
仲間意識を持たせる効果的なキーワード。お願いされた側は、自分だけやらされている印象を抱くと拒否反応を示します。そうならないように、「チームみんなで“一緒に”頑張っている。その一部をあなたにお願いしたい」というお願いフレーズをつくってみましょう。
〈例〉
「○○部分は私が、△△部分は吉田係長にお願いしています。田中さん、□□部分を一緒に進めていただけませんか?」
おかげさまで
チーム感を演出するには、相手がお願いを引き受けてくれた後も大事です。途中経過や最終結果を伝え、相手に関係者である認識を持ってもらいましょう。これをしっかりやるだけで、今後も笑顔でお願いを引き受けてもらえる関係性が築けます。
〈例〉
「おかげさまで、大事なプレゼンを乗り切れました。田中さんに□□部分の資料をつくっていただいたおかげです」
マモル:なるほど~。逆に「こんなお願いはダメ!」というポイントってありますか?
(やりがちだけど)絶対やってはいけないお願い
相手に「押しつけ感」を感じさせるお願いはNGです。断られたくないからといって、多くの人がやりがちな3つのお願いの仕方を挙げておきます。
1.やたらと謝る
「申し訳ないし、こんなことあなたに頼みたくなかったけど、どうしてもお願いしたい」
2.「借り」を思い出させる
「この前、資料づくりを遅くまでつき合ったよね? ちょっとお願いしたいことがあって」
3.「楽しさ」を強調する
「やってみたら楽しいと思うから、お願いできる? 私もやってみたけど楽しかったよ」
サラタメ:どれも断られにくい戦略的なお願いフレーズだとは思います。でも、あまりに戦略的すぎて押しつけ感が強く、チーム感が感じられない頼み方になっています。
(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)
・お願いを笑顔で引き受けてもらえる方法は2つ
1.自分の頭で考えない 2.チームを意識させる
・逆に、絶対やってはいけないお願いの仕方は3つ
1.やたらと謝る 2.「借り」を思い出させる 3.「楽しさ」を強調する