よっしゃッ、これで完了。と、PCをシャットダウンして電源を切り、自室に戻ります。いつも、21時頃です。食事をして「Newswatch9」を観て、就寝。翌朝、目覚める頃には、あそこはこうして、ここはこの出だしで……と、思いをめぐらせ、原稿のやり直し。チームを組む仲間たちもこの調子だと思うのです。

 ……と、仕事に関してはキッチリ、ビシッとしている私ですが、これが私生活となると、出かけようと予定していた時間を過ぎてしまいそうになることもしばしば。バス停でタクシーを止めることもあります。

 でもプライベートなら、タクシー代がかかる、1日1万歩の目標値が達成できない、予定を変更しなければならない……など、迷惑をこうむるのはムラカミ一人だけ。仕事をためないコツはやっぱり、他人という存在です。

 仕事の現場では思いもよらぬことが起きます。テレビ局でリハーサル中に、カメラの電源が切れたこともあります。原稿をPCでワード文書に仕上げる20年来のスタッフはテレワーク。ある朝、電話もFAXもメールもつながらない。本人に異変がおきたのか!?と電報を打ったところ、やっと公衆電話から連絡がきて、前日の豪雨で家のまわりの回線が水没。修理の人を頼んだとか。

 その都度、状況を把握して、手を打つ。やるべきことを決める─ 要・不要の判断が不可欠な暮らしの整理も同じかもしれません。

スタッフとも家族とも実践している時間の整理術

 コロナ禍以前は、自称・空飛ぶ料理研究家。スタジオのある福岡から東京へ、翌週はどこそこへ、と飛び回っていました。そして一緒に仕事をしているスタッフたちは、家庭の事情で出勤日も勤務時間もまちまちです。

 そんな私とスタッフたちがスムーズに仕事を進めるために長年愛用しているのが、見開きが1週間分のスケジュール帳です。私が不在のとき、スタッフはスケジュール帳を見ればどこに行っているかがわかります。「○○さん:お姑さんの定期検診のため午後から出勤」などスタッフの都合も書き込みますから、お互いのスケジュールを把握するのに便利です。このスケジュール帳は愛用歴20年となりました。