「この株は売り? それとも買い?」「儲かる株はどっち?」まるで投資シミュレーションのようにクイズを解きながら「株で勝つ技術」を身につける画期的な1冊『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』が発売された。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。何万回にも及ぶ膨大な数のトレードから確立した「トレードで勝つ技術」を1冊に凝縮した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。

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ボリンジャーバンドとは?

 第5章では、私がファンドマネジャー時代に最も信頼していた「ボリンジャーバンド」から得られる売買シグナルを学びます。アメリカのアナリスト、ジョン・ボリンジャー氏が考案したことから、そう名付けられています。

 ボリンジャーバンドとは、移動平均線と標準偏差から計算される2本の線のことです。

「移動平均」+(「標準偏差」×2)

「移動平均」ー(「標準偏差」×2)

 この2本をあわせて、ボリンジャーバンドと呼びます。株価チャートに、移動平均線だけでなく、2本のボリンジャーバンドを加えると、株価のボラティリティ(変動性、略してボラ)変化を見るのにとても便利です。

 次のチャートは、2019~2020年の日経平均週足チャートに、「13週移動平均線」と「2本のボリンジャーバンド」を引いたものです。

日経平均週足:2019年1月〜2020年12月日経平均週足:2019年1月~2020年12月

 2020年2月、コロナショックで急落したところで売りシグナル、さらに急落すると買いシグナルが出ています。その後11月にも買いシグナル。シグナル通り売買していれば大成功です。

ボリンジャーバンドの「買いシグナル」

「何か良い材料が出て投資家がいっせいに買い始めた瞬間」を示すのが、ボリンジャーバンドの「買いシグナル」です。

 それまでおとなしく推移していた株価が、突然ガツンと大きく上昇し始めた瞬間をとらえるものです。そこで、すかさず買うべきです。早すぎても、遅すぎてもダメです。

 早すぎると、ダマシに遭いやすくなります。株価が上がったところで買ったら、そこが天井。すぐ下がってしまうのがダマシです。

 遅すぎるのも問題です。株価はもう大幅に上昇した後で、好材料は株価に織り込み済みかもしれません。

 ちょうど良いタイミングとは、次の通りです。

(1)上昇に勢いがついている時
 もはや後戻りできない、ダマシはない、スピードが出た状態。

(2)材料が新しい時
 上昇が加速してから日が浅い、1週間くらいしか経っていない時。

ボリンジャーバンドの「売りシグナル」

 売りシグナルは、買いシグナルの逆です。「何か悪材料が出て、投資家がいっせいに売り始めた瞬間」を示すのが、ボリンジャーバンドの「売りシグナル」です。

 ボリンジャーバンドの幅は、相場が大荒れになると拡大、相場が静かだと縮小します。先ほどのチャートを再掲します。

日経平均週足:2019年1月〜2020年12月日経平均週足:2019年1月~2020年12月

これだけは覚えておこう(ボリンジャーバンドの見方)

ボラ拡大の初動に乗る(私が最も信頼する売買シグナル
・買いシグナル:バンド幅が狭いところで株価が急上昇、バンドまで上昇したところで「買い」
 →上のチャートの「C:買い」
・売りシグナル:バンド幅が狭いころで株価が急落、バンドまで下落したところで「売り」
 →上のチャートの「A:売り」

ボラが高すぎる時の逆張り
・買いシグナル:バンド幅が広くなったところで株価がさらに急落、バンド外へ出たら「買い」
 →上のチャートの「B:買い」
・売りシグナル:バンド幅が広くなったところでさらに株価が急騰、バンド外へ出たら「売り」

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)