「今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、そんな悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そんな「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。山下さんは出版した初の著書『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を全て公開している。
その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。
「僕は仕事の実績で評価されたいので、見た目は別にいいです」
「モテたいわけじゃないので(笑)」
僕に転職の相談をしてくれた人に、準備のひとつとして「見た目を改善しよう」と伝えると、こんなふうにちょっと引かれたり、茶化されたりすることがよくあります。そのことを、僕はすごくもったいないなあ……と感じています。
と、偉そうに書いたものの、僕自身も長い間、自分の外見には無頓着でした。
気にするようになったのは、20代半ばのタイミング。高温多湿のタイから、スバルの群馬工場近くの寮に引っ越しをしたためか、ひどい抜け毛と肌荒れに悩まされるようになったのです。
当時、抜けた髪を見たら毛根がないのに気づき「このままではハゲてしまう!」という危機感から、すがるように情報を集め始めました。今ではすっかり「美容」にハマり、いいといわれるものはとりあえず試している僕ですが、少し前の自分を振り返ると「仕事の実績と外見は関係ない」「あとから変えられるものじゃない」とかたくなになってしまう気持ちはよくわかります。
だからこそ、この章では身だしなみのことを伝えたいと思いました。
実際にマンダムが30~60代の上場企業で働く新卒採用担当者を対象に行った調査によると、9割以上が「身だしなみから受ける印象は選考に影響する」と回答(※)。礼儀と同じくらい清潔感が重視されることがわかっています。
また、ワークポートが行った「採用担当者のホンネ調査」でも、面接のときに話の内容以外で最も気になるのは「身だしなみ・清潔感」が32%とトップにランクイン。「経験・スキル」は20%なので、いかに身だしなみが重要かがわかります。
では、転職で評価される「身だしなみ」とは何か。
それは「清潔感」です。
生まれ持った体格や、顔の造作、センスなどは全く関係ありません。実際、社内を見回しても「評価されている人」の
・体型
・顔
・服のセンス
などはさまざまだと思います。生まれつき容姿に恵まれている人も、そうでない人もいるはず。恰幅のいい人もいるし、やせた人もいるでしょう。しかし、「清潔感がない」のに評価されている人は、おそらく存在しないと思います。
「身だしなみ」の恐ろしいところは、転職のために積み上げてきたスキルや経験、努力を一瞬で無にしてしまう、さらに場合によってはマイナスに落下させてしまう点です。面接での一瞬の印象が悪かったせいで落とされてしまうことはよくあります。
一方で、僕が本書に記した美容のケアはまだまだ気をつけていない人が多いので、少しやるだけでいっきに他の人との「差別化」ができます。しかも、スキルと違って誰でも今すぐ実践できるので、コスパが最高なのです。
僕自身は男性なので、この章の細かなノウハウは男性中心になりますが、「清潔感が重要」という原則は女性も全く同じです。
※企業新卒採用担当者に聞いた!就活生の身だしなみと態度に関する調査<面接編>(2019年)
※この記事は『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』からの抜粋です。