生命保険の見直しでローン控除以上の
キャッシュを生み出せる?
日本人が65歳まで生きている確率は100%に近い。だからこそ、稼ぎ手が稼げなくなる事態になった際に、資産がいくら残っているかが重要になる。相続の際に、預金や生命保険金などの金融資産は半分しかない。残りの半分は不動産、多くの家庭ではそれは自宅である。
自宅マンションは、いつでも換金できる資産である。だからこそ、自宅の資産価値を年に1回程度把握することを私は推奨している、。私が運営している会員制サイト「住まいサーフィン」では、無料で自宅に限定して時価で査定できるようにしている。資産価値は、立地に準じて1年で価格が下落する率が最重要になる。
住まいサーフィンでは、物件ごとの資産性を、新築に限って公開している。それを「もうかる確率」と呼んでいるが、70%なら年率1%下落することを意味する。住宅ローンを返し終える35年後には、購入価格の35%落ちの65%で売れるということだ。売却時の手数料などを引いて6割程度が現金になる計算だ。例えば、8000万円で買ったのならば、4800万円に換金できるということだ。これは保険金と考えると、かなり高額になる。
こうした場合、生命保険金をこの金額まで解約することを考えてみよう。ネット生命保険なら、毎月約3.2万円、ローン期間35年総額で1344万円の節約になる。
先ほどの物件は「もうかる確率」が70%で、年率1%下落だったが、これは資産性が割と高い物件だ。首都圏の平均値はもうかる確率50%で、こうなると年率2%下落する。その際の35年後には、購入価格の30%しかない。売却時の手数料などを引いたら25%程度が現金になる計算だ。例えば、4000万円で買ったのならば、1000万円の現金化になる。これでは、生命保険の解約まではできない。換金してもその後に支払い続ける家賃のほうが高くなってしまうからだ。
最後にまとめておこう。住宅ローン控除はやや減額されてしまうが、ローン商品の選び方で100万円程度のコストは変わってしまう。その際には、金利だけでなく融資手数料に着目して、想定居住期間で最安コストのものを選ぶのがコツだ。住宅ローンには生命保険の意味合いもあるので、ローン返済後の資産価値に応じて現在の生命保険を見直して削減する。これだけやれば、コスパが最高になり、ローン控除の縮小分以上のキャッシュを生み出すことができるのだ。