哲学の祖タレスと自然哲学者が考えた
「アルケー」とは
ギリシャでは、BC9世紀からBC7世紀にかけて、偉大な叙事詩人であったホメロスやヘシオドスが、ギリシャ神話を体系づけて『イリアス』や『オデュッセイア』、そして『神統記』を記しました。
それらの内容は、エーゲ文明の諸神話を融合させながら完成させたものです。
こうしてギリシャ神話の世界が生まれました。
この時代の人々は、世界は神がつくったものだと固く信じていました。
この時代を「ミュトス mythos(神話・伝説)の時代」と呼んでいます。
ミュトスの時代を経て、枢軸の時代に登場してきた学者たちは、まさか世界を神様がつくったはずはないだろうと考え始めます。
「何か世界の根源があるはずだ。それは何だろう」
そのことをミュトスではなく、自分たちの論理で、すなわちロゴス logos(言葉)で考え始めたのです。
そして、その「万物の根源」となるものを「アルケー(arche)」と呼びました(ちなみに、アルケーという言葉を初めて用いたのは、タレスより少し年下のアナクシマンドロスという哲学者です)。
ミュトスではなくロゴスによってアルケーを考えること。
そのことに最初に答えを出したといわれる哲学者がタレス(BC624頃-BC546頃)です。