「半導体国産化」が進まぬ中国、台湾有事の懸念

 これまで、中国の製造業はアメリカの半導体にゴリゴリに依存をしていた。しかし、それがトランプの対中強硬路線で、その方針を見直さざるを得なくなった。そこで政府は「中国製造2025」に基づいて半導体内製化政策の推進を強力に進めている。

 ところが、思ったほどこの「半導体国産化」が芳しくない。中国税関総署によれば、21年1〜11月に中国が輸入した半導体チップの数量が前年同期比19.3%増の5822億2000万個で、輸入額は約3890億ドル(約45兆円)だった、と「Record China」(1月11日)が報じている。これからさらに米国が厳しい規制をすることを見据えて、半導体の買い占めに動いているという見方もある。いずれにせよ、これは「半導体の米国依存」が中国自身が想定していた以上に重症だったことを示している。

 では、2022年も引き続き世界的な半導体不足があると言われる中で、中国の「国産化」が思うように進まなかったらどんなことになるのか。

 アメリカに頭を下げて関係改善へ動き出す可能性もゼロではないが、南シナ海などの動きを見る限り「中国らしい解決方法」はあれしかない。ちょっと南下して、圧倒的な武力によって台湾を中国へと組み入れる。今、世界が懸念している「台湾有事」だ。

「いやいや、中国だって、さすがにアメリカと戦争になるように愚かな真似はしないだろ」と思うかもしれないが、経済活動に欠かせない「物資」を他国に依存している国が、相手からそれをストップされた時が最も「軍事衝突」の危険が高まる。合理的に考えれば、そんな選択は絶対にしないだろという破滅的な選択を、国内のナショナリズムに突き上げてられてリーダーたちがしてしまうのだ。それを実は我々日本人が一番よく知っている。

 そう、日米開戦だ。