通信キャリアのポイントは銀行・証券との仲を深めていく

 ドコモのdポイント、au(KDDI)のPontaも、自社の経済圏の構築を進める。

 中でも金融機関との連携を深めているのがPontaで、2021年6月からは三菱UFJ銀行のスーパー普通預金(メインバンク プラス)の取引で、毎月貯まるサービスを開始した。ダイレクトログインだけで貯まるとは、ポイ活としてはハードルが低い。

 さらに、2021年11月からSBI証券のポイントサービスに参加した。株式の購入手数料や投資信託の月間平均保有金額に応じてポイントが貯まる。投信残高が1000万円未満の場合は、保有金額の0.1%(通常銘柄の場合)というので、10万円だと100ポイントということか。これは先の楽天より割がいい。Pontaはau PAYでの支払いに使える上、ECのau PAYマーケットで使う限定ポイントに交換すれば、1.5倍分に増量されるのも太っ腹だ。無論、Pontaが貯まるクレジットカード「au PAYカード」もある。au経済圏は手ごわい伏兵といったところだ。

 最後のdポイントだが、他社に比べると「経済圏」というには若干弱い。とはいえ、ドコモ自体はポイント事業を大きな戦略の柱に据えているようで、いい意味での後出しジャンケンを期待したい。現在は三菱UFJ銀行との業務提携が進んでいて、「dポイントが貯まる新たなデジタル口座サービスの提供」が発表されている。通信料金やdカード(クレジットカード)の引き落とし先に設定すると毎月dポイントが貯まるようになるらしいが、どの程度追い上げられるか。

 盤石と思われた楽天経済圏の行方を気にしている人は多いだろう。永遠や不変という文字は、何事にもない。