20年以上、トップモデルとして活躍する冨永愛。美を保つ最大の秘訣は、日々の食事にあるという。最新刊『冨永愛 美をつくる食事』では、彼女が日々実践する食事術を惜しみなく語っている。
冨永愛にとって食べることは美しく生きる知恵。本書では、自身の経験に基づいた、美肌や太りにくい体をつくる食べ方のルールや美の哲学を、たっぷり学ぶことができる。
今回は本書の中から、その一部を抜粋して紹介する。
美肌はもちろん、お通じにもいい
発酵食品の中でもとくに、冬によく使うものは「酒粕」。
酒粕とは、日本酒を造る過程で、もろみを搾ったあとに残る搾りかすのこと。
搾りかすといえど、酒粕にはタンパク質、食物繊維、葉酸、そして酵母菌がたっぷり含まれているので、ビタミンB群、旨みをアップするアミノ酸などが含まれていて、栄養の宝庫だ。
酒粕を原料とする甘酒は、飲む点滴と言われるほど、美肌はもちろん、お通じにもいいと言われている。
私の定番は「酒粕汁」。野菜やお肉、魚などと煮込めば、体がとても温まる。冬に限らず、一年中飲みたい美容スープ。
ふだんの味噌汁に酒粕を少し加えるだけでも、ぐっと味に深みが出る。酒粕汁にするなら、味噌の種類は通常白味噌が多いが、私は辛めの合わせ味噌が好み。
他にも、酒粕を最初にグリルで焙(あぶ)ると、香ばしさが加わった粕汁になる。
アルコールの香りが苦手な人は、酒粕の量を減らしたり、煮込む前から酒粕を入れて、煮込むといい。具材はお好みで。なんでも合うのが酒粕汁。
「酒粕」を選ぶ基準
酒粕は日本酒の蔵元が造るものだから、種類はほんとうにたくさんある。
私は、添加物なしの、伝統的な製法で日本酒を造る蔵元のものを選んでいる。
お気に入りは、兵庫県姫路市・下村酒造店の純米酒「奥播磨」の酒粕。無添加で、旨みをたっぷりと含んでいるし、やわらかめなので料理に使いやすい。
他にも、全国各地の蔵元から酒粕が販売されている。大吟醸だと香りが華やかで少し甘みがあるし、純米だと割とさっぱりしている。
好みに合わせて、試してみて。
(本原稿は、冨永愛著『冨永愛 美をつくる食事』からの抜粋です)