J社は、買い。K社は、売り。

バンド幅が狭くなったところで株価が大きく変動

 ボリンジャーバンドの幅が狭いところで、株価がバンドの外にポンと飛び出した時は、トレードのチャンスです。このパターンが、私がファンドマネジャー時代、最も信頼していた売買シグナルです。

 J社もK社も、6ヵ月前から1ヵ月前まで、ボリンジャーバンドの幅が少しずつ縮小していることが確認できます。株価は行ったり来たりのボックス相場で、だんだん値動きが小さくなっていきました。つまり、新しい材料が無く、株価は上へも下へも動きにくくなっていたのです。

 ところが今、株価が突然ボリンジャーバンドの外に飛び出しました。J社は株価が急騰して上のボリンジャーバンドを超えたところで、K社は株価が急落して下のボリンジャーバンドを下回ったところです。

 その意味をもう一度、復習しましょう。

ボリンジャーバンドの復習

(1)ボリンジャーバンドは、「13週移動平均+2標準偏差」と「13週移動平均-2標準偏差」の2本の線のこと。

(2)過去13週間の株価が正規分布していれば、株価が2本のボリンジャーバンドの中に収まる確率は約95%。

(3)株価がボリンジャーバンドの外に出たということは、過去13週間になかった新しい変動が起こった(ボラティリティが高まった)ことを意味します。(関連記事:ボリンジャーバンドとは?ボラティリティとは?株チャートの見方をわかりやすく解説

 何か新しい材料が出て、投資家が急いで売買し始めたと考えられます。まだ材料は新しく、この材料で動く人がこれから増えると予想されるので、この動きにはついていくのが良いでしょう。

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)