『週刊ダイヤモンド』3月19日号の第1特集は「事業承継バブル!M&Aのカネと罠」です。国とM&A仲介会社などの関連業界がタッグを組んで、積極的に事業承継を啓蒙しています。中小企業のオーナー経営者が絶対に知っておくべき関連業界の内情に加え、満足できる事業承継を実現するための知識とノウハウをまとめました。

盛り上がる事業承継ビジネス!
中小企業の社長必携の知識とは?

 60万社――。

 この数字は、中小企業庁が推計した、後継者不在により、黒字にもかかわらず廃業の危機にある企業数である。

後継者不在「黒字廃業」60万社、中小企業の社長が絶対に知っておくべき“承継ビジネス”の内情中小企業のオーナー経営者が知っておくべき関連業界の内情と、満足できる事業承継を実現するための知識とノウハウとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 黒字廃業をこのまま放置すれば、技術や雇用は失われ、地域経済全体が地盤沈下してしまう。例えば自動車産業のように、何層にもわたって中小の部品会社が連なる産業は、1社でも廃業し部品の供給が止まれば、産業全体が空洞化しかねない。そんな事態を引き起こす可能性のある企業数が、60万社に上るというわけだ。

 中小企業の社長は、事業を確実に承継し、存続させていく地域社会への責任を負っている。決して「うちの家業の話」と、脇に置いていてはいけない。

 そんな課題を解決しようと、事業承継をビジネスとして捉えている業界は、活発に動きだしている。その代表がM&A仲介業界だ。