NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』でカリスマ経営コンサルタントとして紹介された神田昌典氏が、アメリカで百年以上続くコピーライティング技術を日本で普及させ、はや四半世紀。第一人者25年の集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』という468Pの大著だ。
★4つの力(判断力・思考力・表現力・発信力)が身につく【コピーライティング技術100】
★【BTRNUTSS見出しチェッカー】【PASBECONAテンプレート】【PMMサーチシート】初公開
★「どう言うか」だけでなく「何を言うか」まで完全網羅。紙・ウェブ・スマホ完全対応
★比類なき最強の教科書。第一人者、25年の集大成
神田氏は言う。「タイトルを『大全』としたのは誇張ではない。従来のコピーライティングにとどまらない広範な分野──事業戦略、マーケティング戦略から効果計測・分析、テキストデザイン、表現技術や発想法まで──総計100に及ぶコピーライティング技術を横断的につなぎ合わせ、実用しやすい体系にまとめあげるには、果てしない作業が必要となった。そのモチベーションを持続できた理由を、こっそりと明かせば、著者たちの個人的な事情がある。実は、共著者2人は、人生の先行きが見えず、大きな壁にぶちあたっていたときに、コピーライティングに救われたからだ」
第一人者の神田昌典氏と、共著者で脳性麻痺の子どものために大企業の管理職を辞し、マーケティング・コピーライターとなった衣田順一氏。今回も読者の役立つポイントを本文から抜粋して紹介する。
メールで最も重要な2つの要素
メールで最も重要なのは、「差出人」と「件名」である。
件名が重要なのはわかるが、意外と軽視されがちなのは「差出人」だ。
正確にいえば、「差出人の表記」となる。
差出人と件名は、要するに「誰から」「何の用で」を示す。
メール配信ツールにもよるが、差出人表記は、送信の都度設定できるケースが多い。この差出人表記をテキトーにつけてはダメだ。
差出人表記は、開封率を左右する重要な要素だからだ。
同じ件名で、差出人表記が違うだけで、開封率は大きく変わってくる。
次の例を見てみよう。
A:神田昌典 → 個人名のみ
B:神田昌典(アルマ・クリエイション) → 個人名+社名
C:アルマ・クリエイション → 社名のみ
D:ブレイン・スター速報 → メルマガの名前のみ
4つの中ではAとBの開封率が高いが、Aのように個人名だけの場合、よほどネームバリューがあり、送信対象リスト全員がその名前を知っている場合以外は効果がない。
当社でも、Aを全体リストに対して使うことはほとんどない。当社が提供するメソッド自体に関心がある人は、必ずしも神田昌典を知っているとは限らないからだ。
まして、リスト全体にほとんど知られていない「担当者名」だけで送るのは、効果がないばかりか、クレーム対象になる可能性すらある。
実際、当社でも、ある担当者がうっかり社名をつけ忘れ配信したところ、「面識がないのにメールがきた」とクレームを受けたことがある。
男性メインのリストに女性名だけで送ったり、女性メインのリストに男性名で送るのは、一定の効果があるかもしれないが、避けたほうが無難だ。こちらが意図しない人が集まってしまうからだ。
コピーライティングは、なによりも顧客との信頼関係構築が大切。顧客をダマしたり、失望させたりしては絶対にいけない。
ただ反応率がいいからと、テクニックだけを実践するのではなく、長期的な信頼関係構築に向けて、その方法が自社にとって本当に有益なのか、絶えず吟味しながら改善していこう。
差出人の次は「件名」だ。
件名の書き方は、「BTRNUTSS」(本書106ページ)を活用しよう。「BTRNUTSS」は次の8要素だ。
差出人と件名は、ほぼ同時に見られるから、セットで考える。
メールソフトによって違ったり、パソコンとスマホによって見え方が違ったりする。また、読み手側のフォントサイズ設定、画面サイズなどによっても違うが、同時に見られることには変わりない。
一例を挙げると次のようになる。