経営者が一番のプレーヤー
~新しいリーダーシップのカタチ~

星:先ほど伺った、自分にないものを持っている人を巻き込んでいくというお話について、もう少し詳しくお聞きしたいんですが。

杉原:RDS自体は30人くらいのエンジニアとデザイナーしかいない会社なんですよ。営業担当がゼロの会社で、フロントマンが僕で、それをエンジニアたちが支えてくれています。

 そして、外部に「チームRDS」という、僕らが持っていないスキルを持つ仲間たちが総勢15名近くいます。映像クリエイター、プロデューサーなど、様々なメンバーと一緒にプロジェクトを進めています。

 あとは、自分たちの事業と親和性が高く、かつ自分たちが持っていない領域に取り組んでいる会社に積極的に投資しています。株式を譲渡していただくことによって、一緒に前に向かっていくことができます。

星:「フロントマン」とおっしゃっていましたが、行里さんのお話を伺ったり、YouTubeを拝見したりして思うのは、とにかく行里さんご自身が前に出て楽しんでいらっしゃるということです。

 最近のリーダーシップのあり方なんでしょうか。経営者が一番のプレーヤーでもある、そんな印象を持ちました。

 従来型の、後ろにどんと構えるタイプの経営者とは異なっていますよね。

杉原:信頼されるには、やはり行動しかないかなと。

 動き回って、頭をフル活用するしかない。そして、一番大事なのは逃げないこと。

 それに、一番前に立っている人がつまらなさそうな顔をしていたり、眉間に皺を寄せていたりしたら、やっぱりその会社はそういう会社になってしまうと思います。

星:行里さん自身が、リーダーとして心がけていることはありますか。

杉原:主観ですが、一つは、苦しいことを会社の仲間に安易にシェアしないことです。シェアすると自分は軽くなるけれど、それってシェアされた側の気持ちを考えていないと思うんですよね。

 もう一つは、よきバランサーとして、フェアな判断を下せる状態をキープすることです。

星:今、どんなことに関心がありますか。

杉原:50年、100年会社を続けるより、いかに今を生きるかにしか興味がないです。そして、今を生きるんだけど、未来をつくろうということです。

 現在つくったものをどう未来に伝えるかを、もっと話すべきだと思うんです。

 一番守るべきは子どもたちで、大事なのは教育だと思っています。

 教育をどうアップデートしていくか、僕たちも力になりたいです。

星:お忙しいとは思いますが、世界中にいるオンライン・ハイスクールの生徒たちに、行里さんのお仕事についてお話ししていただきたいです。

杉原:喜んで。子どもたちってとても面白い発想をしますから、楽しみです。

以上