創業期のセールスフォースに入社してインサイドセールス・チームをたった1人で立ち上げ、1億ドルの固定顧客をもたらした伝説の人物アーロン・ロス。「シリコンバレーのバイブル」といわれる彼の処女作『セールスフォース式 売れる組織に変える9の方法』の日本版刊行を記念して、内容の一部を公開しよう。

社長や役員が何度も犯している「セールス」の3つの間違いPhoto: Adobe Stock

間違い1
リードジェネレーションの重要性を理解していない

 これまで何十もの企業をコンサルティングしてきたが、売上げを伸ばすために先頭に立って働かなくてはならない経営者が、基本的な間違いを繰り返しているのを何度も目撃した。ここでは、最も多い間違いを3つ紹介する。

 すべてはCEOから始まる。CEOは営業を率いるリーダーを雇うことはできるが、営業について考えることまで人任せにしてしまってはならない。効果的な目標を設定し、幹部を指導し、収益の問題を解決するためには、CEO自身が基本的なことを理解していなければならない。

 かつてリースエクスチェンジ社のCEOとして私が犯した致命的なミスは、リードジェネレーション(リードを獲得すること)と営業の実行だけでなく、それについて考えることも部下に任せてしまったことだ。

 いいかげんな収益目標を認めてしまっただけでなく、結果が出ない本当の原因を理解することもできなかった。当然、望ましい結果を得るために何を変える必要があるのかもわからなかった。

 営業とリードジェネレーションの仕組みを正しく理解することで、CEOはチームのために現実的なプランとビジョンを示すことができる。恣意的な目標、仮定、計画を避けることができ、より早く成長して利益を生み出す会社にすることができる。

【解決策1】
 CEOは責任をもって自分自身を教育すること。人から教わるという間接的な方法であれ、実際のプロジェクトに参加することによる直接的な方法であれ、正しい理解をめざすこと。