マインドフルは頭もよくする「心の良薬」
マインドフルな心の力を鍛えるとどんな良いことがあるのか?
まず、心へのいい影響。
マインドフルな力で、周りの変化や自分の心の課題にフレキシブルに対応できるので、心が安定しやすくなり、感情を上手にコントロールすることができます。[4]
また、ポジティブな気持ちが維持しやすく、人生の意義や幸福感もアップする[5]など、様々な心理的効果が確認されてきています。
それから、心の問題や精神疾患などへの改善や予防にも効果があります。
そのため、精神医療での応用が進んでおり、着実な成果が上がっています。
例えば、マインドフルネスを使った認知セラビー[6]が、うつ病や統合失調などの治療に応用されています。
さらに、ストレスを軽減させたり、ストレスに対する免疫を上げたりする効果も注目されています。[7]
マインドフルネスは心にだけではなく、頭の回転まで速くします!
集中力がアップ[8]して、高度に神経を研ぎ澄ませなくてはいけない仕事に対するパフォーマンスも上がる[9]ことまでわかってきました。
つまり、マインドフルネスは、心に良い影響を与えるだけでなく、頭も良くなる良薬なのです。
脳科学研究の最前線
さらに、最新の脳科学研究では、マインドネスのもたらす良い効果だけではなく、そうした効果のメカニズムも少しずつ解明されつつあります。
例えば、脳の「扁桃体」は、恐怖や強い感情を感じた時に反応する部分ですが、マインドフルネスのエクササイズをすると、その部分の活性化が鎮まり、私たちの気持ちが和らぐことがわかっています。[10]
さらに、マインドフルネスによって、学びや記憶を司る「海馬」が活性化され、灰白質の濃度が上がったり[11]、前頭葉の活性化や成長が促されたりすることまで明らかにされています。[12]
そしてもちろん、マインドフルネスは、自己肯定感にも効き目抜群です。[13]
「全米トップ校が教える自己肯定感の育て方」で解説したように(第1章「自己受容はポジティブのスイッチ」)求めるべき自己肯定は「自己受容」。つまり、現在の自分のことを受け入れることです。
私たちの心のもっているディフェンス型の適応(第2章「ディフェンス型の心の適応力にご注意」)や、マイナス思考の傾向(「事実をひん曲げる小悪魔たち」)が働き始める前に、自分のありのままを見つめるために、自分の気持ちや考えを「動じず」に「そのまま受け入れる」マインドフルな心の力が、必要なのです。