わたしたちがいま生きているのは「ストレス社会」とも呼ばれる、精神的に疲労が溜まりやすい時代だ。気持ちが沈みがちな人も多いのではないだろうか。
人間関係や仕事、お金や健康など、悩みの種を挙げはじめたらきりがないが、むやみにストレスを溜め込んでしまうと心身に不調をきたしてしまう。
そこで、精神的負担を軽減するために参考になるのが、仏教の視点から人生の様々なストレスや悩みへの対処法を語るYouTubeチャンネルが人気の、現役僧侶・大愚元勝の初の著書『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社刊)だ。SNSでは「心が洗われた」「人生の歩み方を学んだ」といった感想が相次いでいる。
本稿では、「人間関係に悩まない人」になるために知っておきたい「ストレスの本当の原因」を説明する。(執筆・構成/根本隼)
現代人とストレスは密接な関係にある
現代社会は、ITの発達などにより以前と比べて便利な生活が可能になった一方、激しい競争環境下でのプレッシャーや先行きの見えづらい将来への不安などにより強いストレスにさらされる場面も多く、「ストレス社会」とも呼ばれている。
現代人とストレスは、切っても切り離せない関係にあり、誰もがストレスを感じやすくなっている。家庭やお金のことなどストレスの種は様々あるが、人間関係、特に職場での人間関係に悩んでいる人は非常に多いだろう。
ストレスの要因1位は「職場の人間関係」
メディア運営などを行なう株式会社メルセンヌが昨年10月に公表した、仕事上のストレスについての調査結果では、「ストレスと感じることランキング」の1位が「職場の人間関係」だった。4位にも「お客様との人間関係・クレーム」がランクインしており、社会人の多くが対人関係に悩んでいることがわかる。
さらに、日本労働調査組合が昨年6月に実施した「職場の人間関係に関するアンケート」によれば、職場の人間関係を理由に退職、転職を検討したことがある人は58.5%にのぼった。実に半数以上の人が、人間関係のこじれやトラブルなどにより、深刻な状況に追い詰められた経験があるということだ。
過剰なストレスは心身に悪影響がある
もちろん、ストレスが一概に悪いというわけではなく、適度なストレスであれば、むしろそれを克服しようという努力が成長や自信につながるなど、ポジティブに働くことも少なくない。しかし、過剰なストレスは頭痛や肩こり、イライラや不眠など、心身にさまざまな悪影響を及ぼしてしまう。
ストレスを解消しようにも、対人関係の改善は容易ではない。トラブルの当事者に働きかけても解決するとは限らず、むしろさらに関係が悪化する場合もある。また、関係改善に向けたアクション自体が、新たなストレスにつながりかねない。
苦しみは、自分の外部ではなく内部で創られるもの
ストレスの外部要因を解決するのは難しい。では、ストレスを軽減するために自分にできることとは何か?それは、自分の内面を変えることだ。
そこでヒントになるのが、仏教の視点から視聴者の不安や悩みへの対処法を語るYouTubeチャンネルが人気の、現役僧侶・大愚元勝の初の著書『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社刊)だ。
本書によると、苦しみとは、「現実」と「自分勝手な思い込み」との間に生じるギャップによって起こるもの。苦しみは、自分の外部からやってくるものではなく、自らの内面で創られてしまうということだ。
苦しみを創り、握りしめているのが、他の誰でもない自分自身だと気づくことができれば、あとはその苦しみを手放すだけ。その手放し方を伝授するのが本書だ。
「人間関係」だけでなく、仕事やお金、恋愛や健康など、人生につきものの様々な問題に対する解決のヒントが詰め込まれた本書に対し、SNSでは「心が洗われた」「人生の歩み方を学んだ」といった感想が相次いでいる。
次回以降の連載では、『苦しみの手放し方』から内容の一部を抜粋・編集して、ご紹介していく。